「強烈なこだわり」こそが、この世界を変える 経営学者・石倉洋子が見たNIKE創業者の実像
「蝶のように舞い、蜂のように刺す」というスタイルで有名なボクシングチャンピオンのモハメド・アリが亡くなったとき、彼はどういう人だったか、という追悼記事がたくさん出ました。そのなかで印象的だったのが、「自分で自分を定義した人」と彼を評した言葉。これからは多くの人が、他人が敷いたレールを歩くのではなく、アリのように自分で敷いたレールを歩いていくようになるでしょう。
――時間がかかっても、自分がやりたいことを見つけようと。
そういう意味では、『ライフ・シフト』とも関連しています。100年時代なので、人生は長く、時間がたくさんある。若いときにやりたいことを見つけられなくても、まだ間に合うかもしれない。別のことをやりたくなったら、そちらに移る時間もある。
学歴、肩書きの価値は暴落した
――格差社会で、負け組とされた人にもチャンスはありますか?
学歴や肩書きには、昔ほどの価値がなくなったと思います。学ぼうと思えば、インターネットを使っていろいろな教育を受けられるし、かつては堅実な仕事と思われていた会計士のような職業も、AIなどの技術進歩がどう影響するかわからない。
いい大学、いい企業に入ればそれで安泰という時代ではない。なくなる仕事も増えるけれども、新しい仕事も増える。常に学んでいなければいけないし、やりたいこと、学びたいことがある人にはそれを実現する機会もすごく増えています。
私はいま、フリーターとして活動していて、名刺にも、肩書きを書いていません。個人として生きられる時代が来たと若い人に言っているし、自分もそうでありたいと思うから。チャンスは、誰にでも開かれるようになってきている。私は昔、フリーターだったので、いまそうしていることに抵抗感はまったくありません。
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