日経平均急落、記憶しておきたい「3つの価格」 相場は当面どこまで落ちたら下げ止まるのか

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ドル円相場の推移を200日線との関係で見ると、どうなるだろうか。ズバリ、「200日線からマイナス4%のライン」に注目したい。

2017年夏以降のドル円相場は1ドル=107円台~114円台のレンジ相場を続けている。長期トレンドを示す200日線を中心にみると、実は上下4%前後で収まっているのだ。とすれば、当面は「200日線マイナス4%」の水準である107円台前半が、為替相場の重要な節目となりそうだ。

2018年1月上旬に日本銀行が国債の買い入れ額を減らしてから、円高・ドル安の流れが鮮明となっている。特に足元は、スティーブン・ムニューシン米財務長官のドル安容認発言と、ドナルド・トランプ米大統領のドル高発言が交錯し、振れ幅が大きくなりつつある。日本株は為替の感応度が相対的に薄れたともいわれているが、国内企業の「来期2ケタの増益シナリオ」の前提は115円程度と言われる。一方、日銀が発表した今年度の大企業製造業の想定為替レートは110円前半だ。

日経平均は、いったん2万2700円~2万3000円に?

確かに決算に関しては、日本企業の業績の上振れ期待は高い。だが、決算発表よりも先回りした買いが株価を押し上げ、すでに好調な決算をある程度織り込んでいる面も否めない。また日銀は否定しているものの、金融緩和縮小の思惑が取りざたされ、次期総裁人事も控えていると来ている。場合によっては、2月相場はいったん大きく振れることもありそうだ。

今後を見渡すと、2月9日~25日、韓国では平昌冬季五輪が行われる。また、同15日~21日は、中国の春節に伴って訪日客の増加も見込まれる。ただ、足元の円高懸念が重荷となり、相場への冬季五輪と春節効果は限定的にとどまりそうだ。テクニカル面からみた日経平均株価の下値メドとしては、2万2700円~2万3000円前後か。上から下に、以下の3つの価格を頭に入れておきたい。

(1)2万3076円(2017年11月安値2万2028円から2018年1月高値2万4124円の上昇幅から半値押し水準)

(2) 2万2937円(2017年11月の高値)

(3) 2万2764円(2017年末値)

2017年末値の2万2764円を起点にすれば、かなり上昇したこともあり、足元の下げは、「しかるべき調整」が来たと考えるべきかもしれない。

仮にドル円相場で円高がさらに進み、この2万2764円を割るならば、戌年相場の「押し目買いの局面」になりそうだ。国内企業の業績拡大に対する期待が消えたわけではない。また、3月期末に向けては、豊富な手元資金による企業の自己株買いも期待できそうだ。また個人投資家も、例年3月は配当金や株主優待の権利取り、配当の再投資等の動きがみられる。もしかすると、2018年の日本株は「節分底、彼岸天井」になることもあるかもしれない。

中村 克彦 みずほ証券 シニアテクニカルアナリスト

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なかむら かつひこ / Katsuhiko Nakamura

IFTA国際検定テクニカルアナリスト(MFTA)、日本テクニカルアナリスト協会(NTAA)評議員。

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