銀行の人材紹介業務、「明文化」による懸念 リストラ人員を押し付ける可能性も
地銀の関係者からは「貸出金利が低下を続け、融資で収益を上げるのがどんどん難しくなる中、手数料ビジネスの選択肢が広がれば収益の下支えになる」と、今回の監督指針案を歓迎する声も上がっている。
リストラに活用される懸念も
しかし、ある地銀担当アナリストは「銀行は『専門性の高い人材を派遣します、経営を支援します』というのを名目に、実はリストラ候補者を取引先に押し付けることだってできてしまう」と指摘。「取引先も融資を受けている関係上、銀行からの人材を拒否しにくいだろう」と話す。
銀行が融資という本業で稼ぎにくくなる中、コスト削減は急務。メガバンクは昨年、大規模な人員や業務量の削減計画を打ち出したばかりだ。
監督指針には、金融庁が優越的地位の濫用に当たるケースがないか目配りすることも明記されている。
岩田合同法律事務所の鈴木正人弁護士は「人材紹介に当たっては、監督指針に示されている優越的地位の濫用防止、契約条件の書面化、情報管理などがより重要になるだろう」と指摘している。
(和田崇彦 編集:布施太郎)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら