復興法人税廃止、賃金上昇見通しが条件 与党税制協議会、12月に結論

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9月30日、自民、公明両党は、復興特別法人税の1年前倒し廃止について「足元の経済成長を賃金上昇につなげることを前提」に検討することで合意した。写真は石巻の被災現場。2011年3月撮影(2013年 ロイター/Carlos Barria)

[東京 30日 ロイター] - 自民・公明両党は30日、断続的に与党税制協議会を開き、復興特別法人税の1年前倒し廃止について「足元の経済成長を賃金上昇につなげることを前提」に検討することで決着した。法人実効税率引き下げについては「速やかに検討を開始する」ことで合意した。

終了後、関係者が明らかにした。

復興特別法人税の前倒し廃止の検討にあたっては、「税収を見極めて復興財源を確保すること、被災地の十分な理解を得ること、復興特別法人税の廃止を確実に賃金上昇につなげる方策と見通しを確認すること」などを条件とし、「12月中に結論を得る」としている。

賃上げの確約がないとして慎重論を展開していた公明党の意向を強く反映し、「廃止が前提の検討」を条件付きの検討に修正。「『結論を得る』との表現は、条件に達しなければ最終的に(復興法人税を)廃止しないこともあり得る」(与党筋)ことを含意したとして、政府に賃金上昇を実現するよう強く迫った。

一方、財界からの要望が強い法人実効税率引き下げに関しては「財政健全化を勘案し、政策減税の大幅な見直しなどによる課税ベースの拡大や他の税目での増収策による財源確保を図る必要がある」など、財源確保が前提との方針を示している。

そのうえで、「法人実効税率のあり方について、今後速やかに検討を開始することとする」とし、中長期的な課題と位置付けた。

これらを与党税制改正大綱に盛り込み、1日の与党税制協議会で正式決定する見通し。

政府は復興特別法人税の1年前倒し廃止を消費増税に伴う経済対策の重要な柱と位置付け「継続的な賃上げへの第一歩を踏み出すきっかけ」になると説明。「経済界に賃上げや下請け企業の支援に積極的に取り組むよう要請する」ことや、経済産業省が主要企業の賃金の動向を調査し効果を検証、結果を公表する仕組みをつくることで、実効性の担保を導く方針を提示し、与党との調整を進めていた。

(基太村真司、吉川裕子)

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