埼玉県議会が「原発再稼働」を要望した理由 波紋呼ぶ意見書、仕掛け人の県議に聞く

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――自民党本部やほかの県連からも注目されているのではないですか。

一部のメディアと反対派が騒いでいるだけで、国政レベルでは全然知られていないと思う。私は自民党本部青年局の地方議員のトップを務めているが、どこからも(よくやったとか)話はない。埼玉県がこんな意見書を出していると知っている人自体が少ないのではないか。そもそも国に提出してどうなるのかという疑問もある。

――団体からの要望は以前からあったのですか。2017年が初めてでしたか。

昨年、突如として上がってきた。

意見書の撤回を求めるデモも起きた(さいたま市)

――反対する人たちからはどんな反応がありましたか。たとえば事務所に山のように抗議文が手紙やFAXで届いたりしたとか。

全然ですよ。(手紙やFAXが)2~3通来たりした程度。電話が鳴り止まないということもなかった。3000人以上が賛同していることで県民の声を無視するなと言われても、県民でない人が主導しているのではないか。デモでも戦争反対だとか関係のないのぼりもあった。ただし、県議団が動揺しないように気を配った。これは必要な施策であり、みんなで合意して決めたことだと。

県議団ではほとんど異論はなかった

――今回、反対する人たちとは会いましたか。議論を求められたらどうしますか。

会ってはいない。文書を受け取っただけだ。討論に出て行ってもいいが、かみ合わないと思う。文書で来たら文書で回答する。

――県議団ではどんな議論がありましたか。

多少の文言の整理はあったが、ほとんど議論というか、異論はなかった。

――昨年秋の衆議院議員選挙時の自民党の公約では、「安全性を最優先し……原発の再稼働を進めます」と述べるともに、「原発の依存度を可能な限り低減させます」と書かれています。後者について、今回の意見書では何も書かれていません。

確かに書いていない。小泉さんたちは原発なしでやれるとか言うが、再生可能エネルギーですべてを賄うのは不可能だ。安全が確認できた原発はきちんと動かすべきだ。

――意見書では、「高レベル放射性廃棄物の最終処分に向けた取り組みを強化すること」との記述もあります。こちらについても団体から要望があったのですか。

これはわれわれで付け加えた。核のゴミは原発を動かすと必ずつきまとう。意見書を出したところ、反原発グループから文句を言われた。埼玉県で引き受ける覚悟があるのかと。これは全然違う話だ。原発政策は昭和40年代から始まったが、政府が今まで先送りしてきた。それをきちんとやってくださいというだけの話だ。

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