中学の必須教科は「10倍の速度」で習得可能だ AIタブレット教材「キュビナ」は何が違うのか

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東京・品川区にあるコンパスが運営する直営校「Qubenaアカデミー」本校。このほか、2018年1月末現在で、神奈川、埼玉、千葉、長野、静岡、三重、徳島に26社の導入塾が存在する(写真:コンパス)

東京・品川区に人工知能技術(AI)を活用した最先端の教育を行っている「Qubena(キュビナ)アカデミー」というユニークな学習教室がある。運営するのはCOMPASS(コンパス)というベンチャー企業で、2012年に八王子に中学生向け学習塾を開校。その後、2014年にAIタブレット教材「キュビナ」の開発に着手、2015年に同アカデミーを開校した。

キュビナは、用意された問題に対して生徒が解答していくというスタイルであり、これは一般的なデジタル教材と変わらない。違いは、AIを活用していること。正誤の判定をするだけでなく、生徒がタブレットに入力する解答プロセス(画面上にメモした計算過程など)や解答スピードなどの情報を集積し、その情報をAIがリアルタイムに解析するのだ。

学習スピードを7〜10倍にまで高められる

たとえば不正解であった場合には、その生徒がつまずいている要素を分析。最適な出題を続けることで効率的に、より理解度が深まる学習が行えるようにする。

「Qubena」の中学1年生用の画面。iPadやAndroid OSのタブレット上で動作する(筆者撮影)

もちろん、正解だった場合には次々とステップアップした問題が出され、生徒が単独でも先の内容に進むことができる。キュビナアカデミーによると、この手法により、一般的な授業進度に比べて、学習スピードを7〜10倍にまで高められるという。

たとえば同アカデミーに通う生徒は、中学3年間の数学の学習内容を最速で9カ月間で習得できるとのことだ。

キュビナはつまり"間違え方"の解析までを可能にした電子教材といえる。コンパスの創業者でCEOを務める神野元基氏は「究極のマンツーマン指導を目指した、アダプティブラーニング(適応学習)です」と話す。

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