AI先生は究極の「個別指導のプロ」だった 「何がわからないのか」を即座に解析
全員が同じ黒板を見つめる授業は、わかる子には退屈。一方で置いていかれる子も出る。AI先生による究極の個別指導を取材した。
苦手な数学を教えてくれるのは人工知能(AI)──。
8月半ば、そう聞きつけた中高生の男女6人が東京・渋谷のビルに集まった。Z会エデュースによる、AIを活用した「数I・数A弱点補強講座」がそれだ。
着席すると早速、1人に1台タブレットが配られた。この中に、AIを活用したアルゴリズム、つまり「AI先生」が組み込まれているらしい。
まずは目標の設定。タブレット上に表示された「2次関数の最大・最小」や「正弦定理」「素数と素因数分解」など数十に及ぶ項目から、それぞれ、克服したいものにチェックマークを入れる。スタートボタンを押すと、それぞれの生徒の画面に最初の問題が現れた。
何がわからないのか
メモ紙に計算や図を書きながら、時折タブレット画面を触ったり、イヤホンを耳に当て解説の動画を見つめたり。
教室は静かで、現役東大生の講師も生徒の間を歩き回っているだけだ。
「あのー、皆さん何をやってるんでしょう?」
見ているだけではさっぱりわからないので、AIタブレット教材を開発した教育ベンチャー「atama plus(アタマ プラス)」のCEO、稲田大輔さんに尋ねた。