日米AIバトル、「日本企業」に勝ち目はあるか アマゾンやグーグルなどの巨人とどう戦う?
AI(人工知能)の世界で注目されるのは、AIスピーカーで人気を獲得しているアマゾンや、スマートフォンなどでAIに力を入れているグーグル、アップルなどなど、米国の大手IT企業が中心だ。
だがそのIT大手も、AIの「プラットフォーム化」に本格的に取り組むようになったのは比較的最近のこと。AIスピーカーとて、世界的に見ればまだ市場が本格的に立ち上がっているとはいいがたい。まだ多くの企業に参入機会があるのだ。
そのため、米国以外でもAIプラットフォームを手掛ける企業が増えている。もちろん、日本企業の動きも活発化しているのだ。
総力を結集、アジアを狙うLINEの「Clova」
中でも大きな注目を集めているのが、メッセンジャーアプリ大手のLINEである。LINEは今年2月、スペイン・バルセロナで実施された見本市で、独自のAIプラットフォーム「Clova」の開発を発表した。
Clovaを搭載した独自のAIスピーカー「WAVE」を提供するだけでなく、ソニーモバイルコミュニケーションズやタカラトミー、韓国・LGエレクトロニクスなどとClovaの活用に関して協業を進めることも明らかにした。6月の事業戦略イベントでは、トヨタ自動車やファミリーマートなどの大手との協業も公表している。
LINEがClovaに力を入れるようになったのは、「スマホの次」を考えた結果である。メッセンジャーアプリでは、日本をはじめとしたアジアの4カ国で高いシェアを誇るが、スマホ関連の取り組みだけでは将来的に成長が鈍化するおそれがある。
そこで、今後大きく伸びる可能性が高いAIプラットフォームに参入し、再び大きな成長を実現したい考えがあるのだ。
中でもLINEが狙うのはアジアだ。LINEはIT大手である韓国・NAVERの子会社だ。LINEとNAVERのリソースを活用すれば、既存のサービスで優位性のあるアジアでの基盤固めがしやすくなる。ClovaはNAVERグループの総力を結集して開発が進められており、米IT大手が優位性を得ている欧米はあえて狙わず、アジア全域におけるAIプラットフォームのスタンダードとなることを狙っている。
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