小泉進次郎を支えた金髪クリエーターの気概 「30代の首相と日本をアップデートしたい」
これまでの考えじゃだめだという危機意識からはじまった委員会ですから、僕のような人間がいたのは良かったのかもしれません。もっと意見を言いたかったですよ。
「昭和の成功体験」はもういらない
だいたいが古すぎるんですよ。社会の仕組みもですが、考え方、思考そのものを変えたいですね。「20年学んで40年働いて20年休む」なんていうのは、もう生き方として古い。これからは100年生きるんだから、そんな昭和の直線的なわかりやすさではダメなんです。いつ学んでもいいし、いつ働いてもいい。結婚して主婦になるとキャリアに穴があくなんて言いますけど、そんな価値観こそ「幸せの敵」なんですよ。
僕は子どもが2人いますが、これからは「男が家庭のことをしないなんてダサい」になると思います。昔はそれが男らしさだ、という感覚があったかもしれませんけど、それはチョンマゲで街を歩くようなもんですよ。僕は、「女性の社会進出」より「男性の家庭進出」のほうがキーワードになると思います。女性は十分社会進出をしているけど、結局、家庭を守らないといけないから、それ以上できないだけ。男が家庭進出しないと。
でも、高度経済成長期が前提になっている政治家には、できないんですよ。昭和の時代の成功体験があるから。僕も、上の世代を見て、気をつけなきゃなとつくづく思うんですけど、人って自分の体験でしかモノを考えられないところがあるものです。
僕が運営していたシェアハウスが、全国紙に大きく特集されたことがあるんですよ。でも、その見出しが「希望は貧乏」。貧乏でも気にせず前向きに生きているとかなんとか書かれていて。憤慨して、その新聞社へめちゃくちゃ文句言いに行きましたよ。「おまえ俺の年収知ってんのかよ、シェアハウスの価値を古いモノサシで決めつけんな!」って。ただ若者を取り上げれば若者目線になると思ってる。それは、ただの上から目線です。
今回の提言もそうですけど、日本人の価値観を考え直すきっかけをつくりたかったんです。今の時代は、かっこいいものを作ればブランドになるのではなく、世の中にいい問いを示した人達がブランドをつくると思っています。例えば、昨年12月、米国のTIME誌が「Person of the Year」として「#MeToo」を選びました。セクハラ被害を告発した、普通の一般の人たちにフォーカスが当たる時代なんですよね。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら