デルCEO、非上場化の“噂"認める オラクル「オープンワールド」現地リポート(4)

拡大
縮小
オープンワールドに登壇した「チームUSA」のメンバー

25日13時半に始まったレースにおいては、チームUSAは序盤こそ出遅れたもの、劇的な巻き返しを見せて、優勝を遂げてしまった。優勝の杯を掲げた一人にラリー・エリソンがいたのは言うまでもない。この日、現地のニュース番組では、どのチャンネルでも選手以上に目立つラリーの姿を映し出していた。米国を世界一に導いたことで、ドタキャンの不評は帳消しになったのかどうか。

ただ、翌朝の経済紙では、ラリーの高額の報酬を問題視する株主の動きが報道され、オープンワールドに集まったオラクルの多くの顧客に対して、講演をドタキャンした姿勢を問題視する声も聞かれた。

オープンワールドの掉尾を飾ったのは…

26日の最終日、朝9時から登壇したのは、オラクルのチーフ・コーポレート・アーキテクトのエドワード・スクリーベン氏。データセンターからポケットの中に収まった、インターネットの普及に言及した。

「自分の通勤に影響が出る場合は、早く起こしてくれる。食事を用意してくれ、健康のアドバイスももらえる。どういう食事をとるべきか、脂肪分のコントロールまで行う冷蔵庫が自分の在庫管理をしてくれる。洋服を着る場合は、空気の悪い日に向いたものも選んでくれる。クルマに乗る場合は、混雑状況から最適の道を選んでくれる。そんな時代が実現する」とスクリーベン氏は解説。注目されているテーマである、マシン・ツー・マシンの時代の世界観を紹介した。

そうした取り組みの事例として、ドイツテレコムが製造業向けにIT支援を行う動きを紹介。ダイムラーではコマンドオンラインシステムをデフォルトにしており、クルマがWiFi(無線LANの代表的な規格の一つ)のホットスポットになるとの見通しを掲げた。

そして、オープンワールドの掉尾を飾ったのが、前日の25日に優勝したばかりのオラクル・チームUSA。V戦士4人の登壇だ。これには場内が一気にヒートアップ。撮影しようとする参加者のカメラが並んだ。毎日生成されるデータベースを駆使しての勝利だったことも言い添えられて、IT業界最大のプライベートイベントは幕を閉じた。

山内 哲夫 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

やまうち てつお / Tetsuo Yamauchi

SI、クラウドサービスなどの業界を担当。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT