2018年、豪ドル投資にチャンスは到来するか

日本人に根強い人気を誇る通貨を検証する

豪ドルに投資した場合の収益は、金利収入+為替損益で決まる。そこで、次に豪ドルの対円レート(以下、「豪ドル円レート」)の動きを見てみよう。

豪ドル円レートは2012年にはおおむね1豪ドル=80円台であったが、2013~2014年にかけて円安豪ドル高に進み、100円の節目を突破する場面もあった。ただし、当時は日銀の異次元緩和導入と追加緩和が実施された時期であり、円安の側面が強い。

実際、当時は資源価格の代表的な指数であるCRB指数が下落基調にあり、RBAも利下げを繰り返していた時期にあたり、豪ドルの対米ドルレートは一方的な豪ドル安となっていた。

その後、豪ドル円レートは円安圧力の一服などから75円まで円高豪ドル安に振れた後に底入れし、足元は87円台まで回復しているが、かつての100円超という水準からはいまだほど遠い。

ボラティリティが大きいことに注意

このように、豪ドル円レートは大きく変動してきたわけだが、そのボラティリティ(振れやすさ)が相対的にも大きい点には注意が必要だ。

主要通貨の対円レートについて、直近10年間における月間騰落率の標準偏差(ばらつきを示す指標)を計算すると、豪ドルは主要先進国通貨の中では最も高い。豪ドルは資源国通貨であるだけに変動の大きい資源価格との連動性が高いうえ、市場規模が小さいことからも変動が大きくなる。

さらに、豪ドルと円という通貨の組み合わせも変動を増幅する。一般的に低金利通貨である円はリスク回避局面で買われる傾向が強い。一方で、高金利通貨の豪ドルはリスク回避局面では金利が大きく低下するため、売られる傾向が強い。また、リスク回避局面では資源価格が下落するため、売られやすいという面もある。このことから、リスク回避局面では円と豪ドルにまったく逆の力がかかるので、大幅な円高豪ドル安が発生する傾向がある。

つまり、豪ドルは、基本的に為替変動リスクが高い一方、魅力である金利水準は大きく低下しており、従来よりもローリターン化している。

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