内村光良「紅白」総合司会引き寄せた3つの力 タモリ以来、34年ぶり2人目の芸人起用
2番目に多かった理由の「優しい」も、内村さんのイメージにピッタリ。今年3月までMCを務めていた「優しい人なら解ける クイズやさしいね」(フジテレビ系)という番組名は、その証と言えます。
「親しみやすさ」も「優しい」も、それを感じさせるトリガーとなっているのは笑顔。威厳を保とうとして険しい顔をする人や、冷静さを感じさせるために無表情のリーダーをよく見かけますが、“笑顔力”の高い内村さんのように慕われるのは至難の業です。
くしくも現在、ハラスメントの告発で連帯する「#Me Too」が大きな話題となっていますが、物腰が柔らかく高圧的なところのない内村さんは、パワハラとは最も縁遠いタイプ。かつて「俺は芸能人オーラを消すことができる」という迷言を放って笑わせたことがありましたが、そんなエピソード1つとっても、時代に選ばれたリーダーであることがわかります。
一方、あなたの周囲にいる優秀なビジネスパーソンは、どんな顔のイメージでしょうか? 内村さんを見る限り、常に真顔の人や、気難しい顔の人より、笑顔の人のほうが底知れない力や深みを感じてしまうのです。
後ろに立ち、後でやる“後方力”
内村さんの先輩芸人でMCと言えば、ビートたけしさん、タモリさん、明石家さんまさんのいわゆる「お笑いBIG3」。同年代なら、とんねるず、ダウンタウンが挙げられます。いずれも共演者や視聴者にとっては、「オーラが凄い」「厳しそう」というイメージがありますが、内村さんにはいい意味でそれがありません。
心理学の法則に、「人や物のある特徴に影響されて、他の特徴への見方が(良くも悪くも)歪められてしまうこと」を表す“後光効果”というものがあります。その点、内村さんは前述した“笑顔力”が前面に出ているため、共演者や視聴者に、本来持ち合わせているオーラや厳しさを感じさせないのでしょう。
さらに、「オーラが凄い」「厳しそう」と思わせないもう1つのポイントは、内村さんの立ち位置と順番にあります。それは「先に共演者を光らせよう」という“後方力”。もともとテレビ番組におけるMCは権威の象徴であり、昭和の大物司会者・大橋巨泉さんや萩本欽一さんらがそうだったように、自己の存在感を前面に押し出して番組を進めていくスタイルが基本です。
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