部下の長所を引き出すのが上司の重要任務だ エディー・ジョーンズ氏の「コーチング」極意

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――強いチームと弱いチームの一番大きな違いはどこにあるのでしょうか。

「勝ちたい」という気持ちと、「有意義な練習を重ねた」という自信があるかどうかです。「負けてしまうのではないか」と思って試合に臨むチームは決して強くなることができません。たとえ技術面では互角であっても、負けを重ねるだけです。

与えられた環境で強いチームを作るのが監督の仕事だ

――日本の大学のラグビーチームには最近、「ラグビーばかりに時間を取られたくない」との学生が少なくないと聞きました。

すばらしいことです。若いうちは視野を広げたほうがいい。毎日、3~4時間もラグビーの練習をすることには大反対です。1回の練習はせいぜい1時間半で十分だと思う。

大切なのは、内容が濃いものであるということ。だらだらと意味のない練習を一日中やるのは選手にとっても苦痛でしょう。有意義でかつ、濃い練習を短時間で行うのが大事なんです。その後は、たとえば、練習が楽しくなったら個人練習を行う、といった具合に少しずつ、やり方を変えていけばいい。

与えられた環境や学生の考え方に応じて、強いチームを作るにはどうすればいいのか。それを考えるのが監督、キャプテンの仕事です。

――現在のジェイミー・ジョセフHC率いる日本代表についてはどう見ていますか。

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 いい方向へ行っていると思います。11月の試合でもアタックが今までよりもポジティブになっており、日本らしさが出ていました。大きく改善しています。ディフェンスもすばらしかった。リスクは高いものの挑戦的な攻めの姿勢がディフェンス面でも見られます。

――「エディ・ジャパン」で大活躍したトンプソン・ルーク選手やマイケル・ブロードハースト選手のようなワークレートの高い(試合中の仕事量が多い)選手が必要、との見方もあります。

今、彼らの代わりになるような選手を探し出すことができるかはわかりません。もちろん、彼らはすばらしいプレーヤーですが、ジョセフHCの好みもあるでしょう。今は彼のチームにふさわしい選手を選んでいると思いますよ。

松崎 泰弘 大正大学 教授

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まつざき やすひろ / Yasuhiro Matsuzaki

フリージャーナリスト。1962年、東京生まれ。日本短波放送(現ラジオNIKKEI)、北海道放送(HBC)を経て2000年、東洋経済新報社へ入社。東洋経済では編集局で金融マーケット、欧州経済(特にフランス)などの取材経験が長く、2013年10月からデジタルメディア局に異動し「会社四季報オンライン」担当。著書に『お金持ち入門』(共著、実業之日本社)。趣味はスポーツ。ラグビーには中学時代から20年にわたって没頭し、大学では体育会ラグビー部に在籍していた。2018年3月に退職し、同年4月より大正大学表現学部教授。

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