カナダで戦う、DeNAとバンナムの真意 日系ゲーム大手の現地責任者を直撃

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バンダイナムコスタジオの永瀧和貴氏。アクセンチュアなどを経て、10年バンダイナムコグループへ。シンガポールのオフィスとも行き来を繰り返す

バンダイナムコスタジオのバンクーバーオフィスを取り仕切る永瀧和貴コーポレート本部経営企画部部長は、「(機動戦士ガンダムやパックマンといった)既存IPのローカライズ(現地化)だけでなく、バンクーバーでは新しいIPの創出も手掛けていきたい」と語る。

より具体的な業務内容としては、DeNAと同じくネイティブアプリゲームの開発を手掛ける。バンダイナムコホールディングス全体で見ても、ソーシャルゲームを中心としたモバイルゲームはもはや欠かせない屋台骨。このモバイルゲームの収益力を一段と高めるため、バンダイナムコスタジオのバンクーバーオフィスは存在する。

永瀧氏はバンクーバーという土地を選んだ理由に「産学連携の充実」を上げる。バンダイナムコスタジオのバンクーバーオフィスは、通常のオフィスビルではなく、「センター・フォー・デジタルメディア(CDM)」と呼ばれる大学院専門大学のキャンパス内にある。CDMとパートナーシップを結ぶことで、優秀な人材を囲みやすい」と永瀧氏は言う。

コーエーやスクエニなどもカナダで戦う

カナダに拠点を置く日系のゲーム企業は、オンタリオ州トロントにコーエーテクモゲームス子会社のテクモコーエーカナダ、ケベック州モントリオールにスクウェア・エニックスホールディングスの子会社アイドス・インタラクティブなどがある。「税制面ではトロント、モントリオールの方が恵まれているが、バンクーバーはクラスター(産業)としての強みがある。CDMとの連携では、インターン生の中でも優秀な学生を採用することで面接よりも確実に優秀な人材を獲得したい」(永瀧氏)という。

「まずは向こう1年で1本タイトルを出す。作品の数を追うのではなく、じっくり腰を据えてやっていきたい」(永瀧氏)。未来のバンダイナムコを背負う人材を、ここバンクーバーで生み出すことができるか。

バンクーバーという土地を魅力に感じるのは、日系企業だけではない。近日公開を予定している本記事の最終回では、現地ゲーム会社の取り組みについて、掲載する。

二階堂 遼馬 東洋経済 記者

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にかいどう りょうま / Ryoma Nikaido

解説部記者。米国を中心にマクロの政治・経済をカバー。2008年東洋経済新報社入社。化学、外食、ネット業界担当記者と週刊東洋経済編集部を経て現職。週刊東洋経済編集部では産業特集を中心に担当。

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