アフリカはシェアリング経済の本拠地だった 今のコンピュータにはアフリカが足りない!

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山田:若林さんの趣味だと思うのですが、旅してますよね。旅行誌っぽいというか、考えながら旅をしていますね。ケープタウンから始まって、街の名前で、ヨハネスブルク、ナイロビ、キガリ、ラゴス、アクラなどを回っていらっしゃいますが、これは編集部の人が取材を?

若林:3人が2都市ずつ回りました。僕らはアジア人でもなんとなく西洋人のつもりで、アフリカは貧しいとか遅れているという視線を持ってしまいがち。開発という話でも、搾取の構造があってとかのアプローチで行っても、こちらが見たいアフリカを見るだけになるのではないかと思いました。だから「目的を決めずに、ぶらりと行ってこい!」という、でたらめなオーダーをしました。

スタッフからは「特集の内容はどうなるんですか?」と聞かれましたが「知らねえ」と答えて(笑)。とりあえず予防接種は受けといてねと。内容を決めたくないので企画書も書きませんでした。僕は音楽が好きなので、最近のアフリカ音楽をアップルミュージックでプレイリストを作って渡しました。こういう気分の人たちに会ってきてねと。

なぜ「思想するアフリカ」なのか

山田:『思想』は、どこに力を入れようと思いましたか。

『思想』2017年08月号(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

吉川:『思想』をご覧になったことがない方もいると思うので、パーッとページをめくりますと、こんな感じ。縦書き、モノクロ。今回、写真は6枚。これでも多いほうです(笑)。基本的には言葉や文字でしか表せないものを求めて、昔から(1921年創刊)やってきた雑誌だと思うんです。

今回の特集ではタイトルが最初に決まりました。<思想するアフリカ>。とにかくこれで行こうと。根拠はありませんが、<アフリカの思想>ではなく、<思想するアフリカ>で。なぜかというと、私は1973年生まれで、お二方もだいたい同じぐらいだと思いますが(山田、若林両氏ともに1971年生まれ)、われわれの世代特有のアフリカのイメージが明確にあるからです。

小学生くらいの時にエチオピアの飢餓救済キャンペーンがあって、みんなで助けましょうというのがアフリカの最初のイメージ。1990年代に大学生になり、国際的な情報が耳に入ってきたのですが、冷戦が終わった後にアフリカで、内戦・紛争、特にルワンダの内戦があって、そのあとにHIVですね。やっと2010年になって、アフリカについて聞こえてきたのが、鉱物資源など経済に関することでした。

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