(6)北朝鮮と米国の武力衝突 株価は、一時的な大幅下落の後に、比較的短期間で元に戻ると予想する。「緊張が高まった状態が維持されるが、大規模な武力衝突は起こらない」というくらいが2018年最もありそうな状況だと考える。
仮に衝突が起こっても(米国の北朝鮮爆撃など)、日本の経済生産に甚大な被害が及ぶ事態は想像しにくい。衝突が起きないことを願うが、起きた場合は、「買い場探し」を考えたい。北朝鮮が「遠くの戦争」になるような外国の株式を買うのでもいい。
(7)中東の混乱 OPEC(石油輸出国機構)の減産合意が破綻する状況になり、各国が増産に走った場合、原油価格の急落(1バレル=40ドル割れ)が金融的な不安につながる可能性があり、10%級くらいの株価下落要因になる可能性があろう。
ただし、原油価格の下落自体は日本の企業・経済にとって悪くないことなので、国際金融的なリスク・オフの巻き添えで日本企業の株価が下がるとしても、この材料で株を売る必要はなかろう。
「すべてが明るく見える」のは不安だが
こうしてみてくると、あえて言うなら、「日本の金融緩和は継続され、米国の利上げ見通しでドル高・円安が維持され、世界景気がおおむね好調で、企業業績も改善傾向であり、株価は上がって当然のように思える」という、すべてが明るく見える状況であることが不安だ。
ただし、テンプルトン卿は「上昇相場は悲観主義から始まり、懐疑主義が強まるにつれて、さらに勢いを増す。楽観主義に移行する頃には成熟期を迎え、市場が陶酔に浸るときに終焉を迎える」(前掲書、186ページ)と述べたが、「まだ」現時点では、「楽観」「陶酔」といった雰囲気まではないように思う。
以上、平凡な検討で、鬼も笑う箇所がなかったかもしれないが、投資家諸氏のご幸運を祈る。
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