猫ヨガが「メンタル強化」も期待できるワケ ヨガとアニマルセラピーの相乗効果がある

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池迫さんによれば、猫ヨガ教室をきっかけに猫と仲良くなり、保護猫の里親として名乗り出てくれた参加者もいる。また保護猫の存在を初めて知り、ボランティアを始めた人などもいるそうだ。

「猫と人間は姿が違うだけで、同じ命です。この活動を通して、命を大切に思う人が1人でも増えてほしい。また、今は世の中が殺伐としていますが、猫といっしょにヨガをすることで、ホッコリ、やさしい気持ちを取り戻してくれたらいいな、と思っています」(池迫さん)

協会の目標は

猫ヨガ講師の池迫美香さん。「動物殺処分を減らしたい」という思いから猫ヨガを始める。本業の傍らの猫ヨガは多忙だが、やりがいを感じているという。8月には著作『のび猫ストレッチ』を発行(筆者撮影)

協会としての目標は、思いを同じくする仲間を増やし、“命に優しい社会”になるよう活動を広げていくこと。現在は協会代表のほか、事務局に1人、ネコ部に池迫さん、インストラクター養成講座をサポートしている2人など、計5人で運営しているほか、全国で約70人のドッグ・猫ヨガインストラクターが活動している。

池迫さんは猫ヨガのほうが忙しくなってしまい、本業も減らさざるをえなくなっている状況だそうだ。猫ヨガインストラクター養成講座の生徒も募集中だが、なかなか集まらないのが悩みだという。

「猫が好きな人は、犬好きな人に比べて謙虚なのでしょうか。人前でしゃべったりするのが苦手、という方が多いようなので、そのせいかもしれませんね」(池迫さん)

養成講座では約10カ月かけて、ヨガインストラクターとしての基本的な技術や知識を習得できるほか、猫の習性や生理学、動物のためのアーユルヴェーダといった、同協会ならではのカリキュラムが設定されている。受講料金は42万4000円で、一般的なヨガインストラクター養成講座の金額と同等だという。

現在、年間4万5000匹以上(2016年度、環境省調べ)の猫が殺処分されるなど、悲しい現実がある。ただ明るいニュースと言えるのが、さまざまな活動が少しずつ実を結んでおり、殺処分数が年々減少していることだ。たとえば民間団体などが野良猫の去勢・避妊、保護猫の引き取り手を探す活動などを行っている。また、「地域猫」という考え方も知られ始めている。地域ぐるみで野良猫を管理していく活動のことだ。こうした動きが途絶えることなく続き、また、裾野が広がっていくことが大切だ。

その意味でも、今回ご紹介した猫ヨガは、誰もが遊び感覚で気軽に挑戦できる点で優れている。ヨガには、健康や美容への効果のほか、感情をコントロールできるようになったり、集中力を高めたりと、現代のビジネスパーソンにも役立つ効果がある。

また、アニマルセラピーが全国の多くの施設などで行われていることでもわかるように、動物との触れ合いは心身を癒やしてくれる。となれば、ヨガ、アニマルセラピーが合わさった、猫ヨガには相乗効果があるかもしれない。人間関係に疲れたら、ぜひ、猫ヨガに挑戦してみるとよい。命を助けることにもささやかながら貢献できる。

圓岡 志麻 フリーライター

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まるおか しま / Shima Maruoka

1996年東京都立大学人文学部史学科を卒業。トラック・物流業界誌出版社での記者5年を経てフリーに。得意分野は健康・美容、人物、企業取材など。最近では食関連の仕事が増える一方、世の多くの女性と共通の課題に立ち向かっては挫折する日々。contact:linkedin Shima Maruoka

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