「ジャスティス・リーグ」に見る米映画の潮流 ヒーロー全員集合であらゆるファン層に照準

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コミックでは1980年に誕生しているが、映画は初登場となるサイボーグ (C)2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

本作では、『アベンジャーズ』シリーズの監督・脚本を手掛けたジョス・ウェドンが脚本に参加。彼は、家族の不幸により、途中降板することになったザック・スナイダーの代わりに監督を引き継いで、本作を完成させた。彼の存在が、本作が明快になった理由の1つなのではないかと言われている。一説によると、途中降板したザック・スナイダーが直前まで手掛けたバージョンは3時間以上あると言われており(本作は120分)、その幻のバージョン(そしてそれはダークな内容なのかもしれない)があるならば観てみたいと望むファンの声も根強い。

ある意味ライバルだった『アベンジャーズ』のクリエーターを招聘した経緯についてローブンは、「ジョスはもうマーベルを辞めていたから、彼の参加には何も問題はなかった。実はジョスには『バットガール』の脚本を書いてもらっていて、監督もやってもらう契約をしていたところだった。そういう意味では、すでに彼もDCユニバースの一員だったというわけだ」と明かす。

スーパーマンとスパイダーマンの”共闘”もある?

2016年からブルース・ウェイン(バットマン)役を演じるベン・アフレック(右)。左はフラッシュ役のエズラ・ミラー(C)2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

そして、「『ジャスティス・リーグ』の仕上げをしていたスナイダー監督は、いくつかのシーンを追加しなくてはいけないことに気づいた。そこで追加するシーンをジョスに書いてもらおうということになった。しかしそんなときにスナイダー監督の家族に悲劇が起こってしまったので、その間に彼に映画を完成させてもらうようお願いしたのが参加した経緯。今回の映画は最初から明るく楽しい感じだったが、スナイダー監督がジョスにお願いしていたシーンは、さらに明るく軽いトーンだった」と、語る。

一方、『アベンジャーズ』の成功や、ファンからの期待がプレッシャーになったと話すのは、プロデューサーのデボラ・スナイダーだ。「ファンは情熱的な思いを抱えている。だから、ふさわしいストーリー、正しい形でなければならないというプレッシャーがあった。しかし、『このようなストーリーでなければならない』と考えて作ってはいないし、他の作品と比較もしない。いつも異なるキャラクターで、異なるストーリーを展開している。マーベル映画も大好きだし、彼らの成功があるから、多くのキャラクターをスクリーンで観たいと思ってもらえるようになった」と語る。

そんな彼女に、「マーベルのアベンジャーズとDCのジャスティス・リーグの共闘ということもあるか」と聞いてみた。当然、「わからない」と答えたが、「けど、その作品の興行成績がどうなるかは見てみたい」と笑ってみせた。

いつの日か、日本のスーパーロボット大戦のような、スーパーマンやスパイダーマンやバットマン、アイアンマンが共闘する「すべてのアメリカンヒーローが大活躍する超大作」が誕生する日が来てもいいかもしれない。

壬生 智裕 映画ライター

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みぶ ともひろ / Tomohiro Mibu

福岡県生まれ、東京育ちの映画ライター。映像制作会社で映画、Vシネマ、CMなどの撮影現場に従事したのち、フリーランスの映画ライターに転向。近年は年間400本以上のイベント、インタビュー取材などに駆け回る毎日で、とくに国内映画祭、映画館などがライフワーク。ライターのほかに編集者としても活動しており、映画祭パンフレット、3D撮影現場のヒアリング本、フィルムアーカイブなどの書籍も手がける。

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