「ジャスティス・リーグ」に見る米映画の潮流 ヒーロー全員集合であらゆるファン層に照準

拡大
縮小
DCコミックが生んだヒーローが活躍する映画『ジャスティス・リーグ』が11月23日から公開されている (C)2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC 

DCコミックスといえば、バットマン、ワンダーウーマン、サイボーグ、フラッシュ、アクアマンといった、スーパーヒーローを数多く“輩出”してきたコミックスの出版社。「アベンジャーズ」シリーズで有名なマーベルコミックと人気を二分する存在だ。

そのDCコミックスのスーパーヒーローたちを1つの作品に集めてしまった映画が、現在公開中の『ジャスティス・リーグ』である。

ヒーローを集めた“ユニバース”作品が流行

物語はスーパーマン亡き後の世界。世界滅亡の危機を察知したバットマンは、1人では世界を救えないと判断し、超人たちのスカウトを開始する(C)2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

近年の映画界のトレンドは、「ユニバース」という異なる映画に登場するヒーロー、もしくはモンスターたちが、1つの世界観を共有し、その中で活躍する作品だ。たとえばスパイダーマン、アイアンマン、キャプテン・アメリカといったヒーローが勢ぞろいする「マーベル・シネマティック・ユニバース」や、キングコング、ゴジラ、キングギドラといった日米を代表する怪獣たちが対決を繰り広げる「モンスターバース」。そしてドラキュラ、ミイラ男、フランケンシュタインといった往年の怪奇映画をリメークする「ダーク・ユニバース」などが挙げられる。

その流れの1つに、バットマン、ワンダーウーマンといったDCヒーローたちが共闘する「DCユニバース」もある。

こうしたクロスオーバー企画が注目を集めるきっかけとなったのは、2012年公開の『アベンジャーズ』(2012年)であることは言うまでもない。同作は、米国内興業収入6億2335万7910ドル(約700億円、Box Office Mojo調べ)という驚異的な数字をたたき出し、アメリカの歴代興収ランキングにおいても5位につけている。日本でも、「ヒーロー大集合作品」といえば『アベンジャーズ』と連想する人は多い。

彼らの成功の背景には、マーベルの社長も務めるプロデューサー、ケヴィン・ファイギが「マーベル・シネマティック・ユニバース」の世界観の統一を徹底的に図り、そして才能あふれる人材を積極的に起用する確かなビジョンを持っていたところも大きい。

次ページマーベルとDCコミックスの歴史
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【逆転合格の作法】「日本一生徒の多い社会科講師」が語る、東大受験突破の根底条件
【逆転合格の作法】「日本一生徒の多い社会科講師」が語る、東大受験突破の根底条件
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT