「ジャスティス・リーグ」に見る米映画の潮流 ヒーロー全員集合であらゆるファン層に照準
DCコミックスといえば、バットマン、ワンダーウーマン、サイボーグ、フラッシュ、アクアマンといった、スーパーヒーローを数多く“輩出”してきたコミックスの出版社。「アベンジャーズ」シリーズで有名なマーベルコミックと人気を二分する存在だ。
そのDCコミックスのスーパーヒーローたちを1つの作品に集めてしまった映画が、現在公開中の『ジャスティス・リーグ』である。
ヒーローを集めた“ユニバース”作品が流行
近年の映画界のトレンドは、「ユニバース」という異なる映画に登場するヒーロー、もしくはモンスターたちが、1つの世界観を共有し、その中で活躍する作品だ。たとえばスパイダーマン、アイアンマン、キャプテン・アメリカといったヒーローが勢ぞろいする「マーベル・シネマティック・ユニバース」や、キングコング、ゴジラ、キングギドラといった日米を代表する怪獣たちが対決を繰り広げる「モンスターバース」。そしてドラキュラ、ミイラ男、フランケンシュタインといった往年の怪奇映画をリメークする「ダーク・ユニバース」などが挙げられる。
その流れの1つに、バットマン、ワンダーウーマンといったDCヒーローたちが共闘する「DCユニバース」もある。
こうしたクロスオーバー企画が注目を集めるきっかけとなったのは、2012年公開の『アベンジャーズ』(2012年)であることは言うまでもない。同作は、米国内興業収入6億2335万7910ドル(約700億円、Box Office Mojo調べ)という驚異的な数字をたたき出し、アメリカの歴代興収ランキングにおいても5位につけている。日本でも、「ヒーロー大集合作品」といえば『アベンジャーズ』と連想する人は多い。
彼らの成功の背景には、マーベルの社長も務めるプロデューサー、ケヴィン・ファイギが「マーベル・シネマティック・ユニバース」の世界観の統一を徹底的に図り、そして才能あふれる人材を積極的に起用する確かなビジョンを持っていたところも大きい。
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