「ジャスティス・リーグ」に見る米映画の潮流 ヒーロー全員集合であらゆるファン層に照準
マーベルの評判は上々だ。歴代興収ランキングを見ても、ベスト100に入っているマーベル作品の映画は、『アベンジャーズ』を筆頭に16本にもおよぶ。
一方のDC映画は、6位にバットマンを主役とした映画『ダークナイト』(2008年)がランクインしているが、トータルでは6本のみ。その数だけ見ても、ライバルのマーベルコミックの後塵を拝していた感は否めない。
しかし、“先輩格”は、DCコミックス。前身の出版社も含む同社の歴史をひもとくと、スーパーマンが登場したのが1938年で、バットマンは1939年に登場、ワンダーウーマンも1941年に誕生している。マーベルコミック(前身の出版社も含む)は、キャプテン・アメリカこそ1941年に登場しているが、スパイダーマンが1961年、アイアンマンが1963年と、多くが1960年代になってからで、DCのヒーローより”後輩のヒーロー”がほとんどだ。
あらゆるファンを取り込み、新たなキャラも紹介できる
ちなみにマーベルのヒーローチーム「アベンジャーズ」は、1963年に登場しているが、「ジャスティス・リーグ」が登場したのは1960年。もっとさかのぼると、フラッシュやグリーンランタンといったヒーローが集まった史上初のヒーローチーム「ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ」は1940年に登場しており、「アベンジャーズ」よりも歴史は古い。
マーベルの成功を横目に見ていたDCやDCファンにとって「ジャスティス・リーグ」がスクリーンに登場することは悲願だった。そこで満を持してスタートさせたのが「DCユニバース」シリーズで、これまでに、『マン・オブ・スティール 』(2013年)、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016年)、『スーサイド・スクワッド』(2016年)、『ワンダーウーマン』(2017年)といった作品を送りだしてきた。そしてその集大成として送りだしたのが『ジャスティス・リーグ』というわけだ。
「ダークナイト」シリーズをはじめ、これまで10本以上のアメコミ作品をプロデュースしてきた本作プロデューサーのチャールズ・ローブンは、「このジャンルならではの決まり事に敬意を払いながら、再構築する方法を見つけていった。その結果として完成した作品が、新旧問わずあらゆるファンを楽しませるものになったと思う。今回、DCのヒーローたちが初めて集合させたことで、観客にいろいろなキャラクターを紹介することができた。知ってもらえれば、彼らの今後の活躍にも注目してくれる」と、ヒーローを集合させるメリットを語ってくれた。
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