テスラ、ささやかれる「拙速な製造」のツケ 新車発売に予想外の問題はつきものだが…
[サンフランシスコ 29日 ロイター] - 米電気自動車(EV)大手テスラ<TSLA.O>の新型セダン「モデルS」やスポーツ用多目的車(SUV)「モデルX」は、カリフォルニア州フレモント工場の組立ラインを離れた後、もう1度足止めを食らうのが当たり前だという。
製造における欠陥を修正するためだ。
このような欠陥修正を抜きにしては高級車種が出荷できない状況が常態化していることが、同社の現旧従業員9人に対するロイターの取材によって明らかになった。
組立後の品質検査で9割以上に欠陥
同社の内部追跡システムによる10月最新データなどによると、組立後の品質検査で「モデルS」と「モデルX」の9割以上に欠陥が見つかることが当たり前となっているという。取材した現旧従業員の一部は、2012年には、すでにこの問題に気が付いていたと語る。
テスラ側は、同社の品質管理プロセスが異例なほど厳格であり、ほんのわずかな欠陥でも発見し、修正することを意図したものだと説明している。組み立て後の欠陥率についてはコメントしなかった。
トヨタ自動車<7203.T>など、世界でも高い効率性で知られる自動車メーカーにおいては、組み立て完了後に欠陥修正が必要となる比率は、製造車両の1割以下にとどまっている、と業界の専門家は語る。修正によって時間と費用の両方が無駄になることから、組立段階において適切な品質を確保することが非常に重要だ、と彼らは口を揃える。
「(テスラでは)組立完了後のやり直しが非常に多く、そこで多大なコストが生じている」と、かつてテスラのスーパーバイザーを務めたことのある人物は語った。