エイベックス、新理念・新ロゴ・新本社の狙い メガヒットを生み出すための仕組み作り

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1つ目は自由な発想を産むためのクリエイティブな設備だ。IT企業などでは当たり前となっている全社フリーアドレスを導入したほか、6~9階、12~15階はリボンのような流線型の長机を配置。さらにIDカードだけではなく、試験的に顔認証システムを取り入れた。

また最上階の17階には米国西海岸をイメージした社員食堂「THE CANTEEN」(ザ・キャンティーン)を導入。席数は400弱で、ホテルのラウンジや広場、個人用テーブル、アジアンダイニングなどさまざまな要素を取り入れた。「おしゃれなだけではなく、社員が行ってみたいと思うような場所にしたかった」(加藤グループ執行役員)。

2つ目は外部との協力体制だ。2016年11月にベンチャー向け投資を目的としたエイベックス・ベンチャーズを設立している。

今回、エントランスを上がったところには「avex EYE」(エイベックスアイ)と名付けたコワーキングスペースを設置。「同じ業界の人たちだけじゃなく、異なる価値観やスキルのある人が混ざり合うことで揺らぎを起こしたい」(加藤グループ執行役員)。

新本社にスタジオを配置予定

プロジェクトを率いた加藤信介グループ執行役員。お気に入りは17階の社員食堂だという(記者撮影)

そして3つ目がエンターテインメント企業として、よりアーティストとの距離を縮めることだ。

2018年夏のオープンに向けて工事中だが、新本社の4階にレッスンスタジオを、5階にはレコーディングと映像用のスタジオを設ける計画だ。

これまでレッスンスタジオは原宿、本社は青山という距離にあったが、今回は育成中のアーティストとの距離を近くしたり、アーティストの活動へのアイディアを持ち寄ることも可能になる。

「今までのライブやマーチャンダイジング(グッズ販売)、ファンクラブ、ヒットアーティスト(の育成)事業に加えて、テック(テクノロジー)を組み合わせることで、届けられる感動は何倍にもなる。その両輪でやっていく」と加藤グループ執行役員は語る。

エイベックスの業績浮揚には、ヒットを生み出し続ける必要がある。新本社はその一助となるのか。

松浦 大 東洋経済 記者

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まつうら ひろし / Hiroshi Matsuura

明治大学、同大学院を経て、2009年に入社。記者としてはいろいろ担当して、今はソフトウェアやサイバーセキュリティなどを担当(多分)。編集は『業界地図』がメイン。妻と娘、息子、オウムと暮らす。2020年に育休を約8カ月取った。

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