講義中の「パソコン」が学習効率を下げるワケ 紙とペンのほうが効率アップという結果も

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参考文献をダウンロードしたり、その場で調べられるのは便利ですが……(写真 : kasto / PIXTA)

大学の講義でよく見かけるのが、教授の講義を聴きながらパソコンでノートを取る学生の姿だ。だが、私(筆者はミシガン大学教授)の講義では、そうした光景は見られない。

いくつか例外は設けているものの、私の講義やゼミでは基本的にノートパソコンなど電子機器の使用を禁止しているからだ。

学習効率が落ちるという研究結果も

極端すぎる対応だと思う人もいるかもしれない。紙とペンよりノートパソコンを使ったほうが、講義内容をより多く吸収できるという面もある。参考文献をダウンロードしたり、なじみのない概念についてその場で調べたり、正確できちんとまとまった講義の記録を残すことができる。そういった点では結構ずくめだ。

だが一方で、コンピュータやタブレットを講義中に使うと学習効率が落ちるとの研究結果が次々と出てきている。電子機器を使う学生は成績も悪い傾向にあるという。

また、使っている本人だけでなく周りの人間もノートパソコンのせいで気が散ってしまうということも研究から明らかになっている。だから高校の授業で使われる電子機器が学習の妨げになる可能性があるとか、職場におけるミーティングの生産性を下げる可能性があると考えても飛躍のしすぎとは言えないだろう。

ノートパソコンが学習に与える影響を測るのはなかなか困難だ。理由の1つは、学生によって「使い方」が異なるからだ。講義中にノートパソコンをせっせと使っているのは、えてして勉強熱心で成績優秀な学生たちかもしれない。

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