講義中の「パソコン」が学習効率を下げるワケ

紙とペンのほうが効率アップという結果も

当然ながら、これらの学生は講義内容を十分に身に付けることができなかった。ところが面白いことに、ノートパソコンを使っていた学生の周囲に座っていた学生の学習にも悪影響が見られたのだ。

経済学用語ではこうした影響を「負の外部性」と呼ぶ。ある人の消費が他者の幸福に悪影響を及ぼす場合に起きる現象だ。古典的な例が公害で、石炭を燃やす工場やガソリンを使う自動車は大気や周辺環境を汚染する可能性がある。

視覚的な「公害」にもなりうる

ノートパソコンは時に、視覚的な「公害」になりうる。パソコンの画面は周囲の人からも見える。画面には授業のノートだけでなくフェイスブックやツイッター、電子メールやニュースも出ていることが多く、注意が引き寄せられてしまう。

では実際の教室で学期中ずっと使い続け、復習に活用したりした場合にプラスの効果はないのか。

米陸軍士官学校では授業におけるノートパソコン使用の影響について調べたことがある。科目は経済学入門で、授業は少人数制のクラスで行われた。

教授らは電子機器の使用を許可するクラスと禁止するクラス、教授の目が届くよう机に上向きに置いておくという条件付きでタブレットの使用を認めるクラスを設定。すると学期の終わりの時点で、ノートパソコンやタブレットの使用を認められたクラスの成績は、使用を禁止されたクラスよりずっと悪かった。

果たして経済学を学ぶ士官候補生たちを対象とした実験結果が他の学生――たとえばコミュニティカレッジでシェイクスピアを学ぶ学生にも当てはまるのかと疑問に思う人もいるかもしれない。

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