セクハラが隠蔽されてしまう広告代理店の闇 「私は守秘契約を結んで会社を辞めた」

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広告業界に入りたてのとある女性は、ほかの業界と比較して(メディア業界と比べてすら)、この業界の男性偏重が強いと証言する。「私の話を遮って話す人、私のアイデアが下らないと言い切る人、こういうのは多くが男性だ。これにはくじけそうになる」と彼女は漏らす。女性に対するレッテルの影響もあると思う。女性は服装で判断される、その一方で男性は無謀で向こう見ずな言動で新しいビジネスを売り込むことを称賛される。

世界最大手の広告グループであるインターパブリック・グループ(Interpublic Group)では、ワインスタインのスキャンダルなどの影響を受けて、今年後半に予定されていたセクハラに関する社内トレーニングを早めて開始することにした。

同社のシニア・バイスプレジデントでありダイバーシティ・インクルージョン責任者でもあるハイド・ガードナー氏は、「セクハラ被害を公に訴えた女性たちのほとんどが、映画やテレビなどクリエイティブ業界であることが興味深い。クリティブ業界はそれだけガードが硬かったのかもしれない」と指摘する。

不愉快でバカな言動をする人間が多い

ニューヨークの別の女性エグゼクティブはさらに率直な言葉で語ってくれた。「クリエイティブ業界では、無意識にも意識的にも不愉快でバカな言動をする人間が多い。これまで何度もそれに耐えてきた。自画自賛するビジネスだから、自分が大好きな人間ばかりだ。誰かがくしゃみをしたらそれが金塊を生み出すかのように扱う。自分が特別な人間だと勘違いしてしまうようなカルト的な人間が多くいる」。

米DIGIDAYでは、ワインスタイン騒動を受けて社内ポリシーに変更があったのかホールディング会社にも聞いてみた。WPPの広報担当によると、ポリシーは2016年のサステナィビリティ報告書に明記されており、倫理・偏見に関するトレーニングを義務付けているとのことだ。

IPGとオムニコム(Omnicom)では、CEOのマイケル・ロス氏とジョン・レン氏からそれぞれ、ハラスメントは断固として認められないという社内規程に関する社内メールが送付された。

電通イージスでは、新たなセクハラ防止トレーニングをはじめようとしているという。同社の広報担当は、「騒動が起きる前から取り組んでいたことだが、最近の出来事で全社的に取り組む重要性を再確認することとなった」と話す。過去2カ月間にセクハラの報告件数が増加したかについてはどの会社もまだ不明であるとした。

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