政治家たちの何とも不透明で呆れ返る金遣い 税金を徴収する税務職員たちの苦労の裏で
総務省が先般、平成28年分の政治資金収支報告書を公表した。政治家や政治団体の活動にまつわる収入や支出を詳しく記載したもので政治資金規正法に基づき作成され、誰でも政治とカネのチェックができるよう、総務省や各都道府県の選管から公開されているものだ。
ただ、その金の使い方には制限はなく、政治資金パーティも20万円以下なら支払った人間の氏名も記載する必要がない。仮に1億円をパーティで集めても19万9999円支払った参加者が500人ほどいた、といえば済むだけのいわば抜け穴だらけ、“ザル法”とも呼ばれている。
それでも国会議員の場合は「登録政治資金監査人制度」がある。国会議員に関係する政治団体が、政治資金の収支報告書を提出する際に、あらかじめ研修を受けた税理士や弁護士、公認会計士を登録政治資金監査人として政治資金の監査を義務付けている。
キャバクラの領収書でもスルー?
とはいってもこの監査人制度では、監査の際に領収書の金額と収支計算書の金額が一致していれば使途の言及はしないという運用になっている。キャバクラや風俗の領収書でも金額さえ一致していればスルーということになる。
地方議員にはこの監査人制度がない。国会議員関係の監査自体、ザル制度と言われているにもかかわらず、地方議員にはこの制度すらないのだ。市民オンブズマンやマスコミの情報公開請求により、一部の不正事案が発覚しているのが現状だ。
12月8日(金)放送の『金曜プレミアム・実録!金の事件簿3~こんな奴らは許さない~』(フジテレビ系)で取り上げる富山県・高岡市議の「不正受給」の顛末はあきれるものだった。
行ってもない視察旅行を「行った」として領収書を仲間の議員に偽造させて政務活動費を不正受給していたのだ。
旅行会社が領収書を作成していないことを暴露したことから事実が露呈し、市議らが記者たちに追及されてようやく事実を認めた格好となったがこのようなことはどこかで行われているのだろう。
今回、取材班はとある地方議員の政務活動費を調査した。その政治家は親族が代表を務める「たった1つのある団体」に「たった1枚の数百万円という領収書」を出させることで数百万もの政務活動費を手にしている。
しかしその団体は任意団体であるため内部でどのような金の使い方をしているかは客観的にはわからない。しかも、この団体はあくまで“第三者”であるため提出されている領収書はその地域の条例では合法となる。議会は金額とフォーマットさえ整っていれば問題なしとする。この団体を使えばまさに政務活動費は何に使ってもわからない、というのが実情だろう。