京急「ジャズ電車」で川崎は音楽の街になるか 入場券不要の立ち飲みバーも大盛況

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

イベントの実施も大々的にPRしたわけではなく、京急電鉄HPへのプレスリリース掲載と神奈川新聞など地元紙への掲載程度。車内でのコンサートということで参加できる人数が少ないという理由もあるが、“地域密着”も1つのキーワードになっているようだ。

ライブハウスのような雰囲気となった電車内(筆者撮影)

「これまでも特に三浦半島の沿線を中心に地域の皆様と一体となった形でのイベントを企画してきました。経営計画にも『地域とともに歩む』ことを掲げているように、一方通行ではなく沿線の地域と一緒に何かに取り組もうという機運が高まっている。その1つが、このJAZZ STATIONですね」

多くの人が集まる大規模イベントではなく、“手作り感”によって“地域とともに”というニュアンスが強まるという点もありそうだ。筆者も取材した山手線の貸切列車「夢さん橋号」もそうであったように(山手線でプロレス!夢の貸切列車の舞台裏)、最近の鉄道関連のイベントは、“地域”が前面に出るパターンが主流ということなのだろうか。

電車内は音がよく響く!

観客の目の前で迫力の演奏(筆者撮影)

で、肝心のコンサート。わずか30分と短い時間だが、牧山さんが車内を歩いて客席(座席?)の目の前で演奏を披露するなど、フツーのコンサートでは決してありえないような距離の近さもあって大いに盛り上がった。牧山さんに話を聞いてみると……。

「もちろん電車の中で演奏するのは初めて。電車って、思っていた以上に音が響くんですね。コンサートホールにしてもいいかなってくらいでした。お客さんとの距離がとても近くて、ヴァイオリンの指使いや私の息遣いまで感じてもらえる。楽しそうなお客さんの表情もよく見えて、とってもパワーをもらいました。これもコンサートホールなどでは得られない経験ですね。演奏しながら通路を歩いているとお客さんが足を引っ込めてくれたり、そういう交流も電車の中ならで面白いですね(笑)」

と、“人生初”の電車内コンサートに新たな発見もあったようだ。

次ページ「立ち飲みバー」として開放した車両も
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事