山手線でプロレス!夢の貸切列車の舞台裏 東京駅も通過、ノンストップ1時間のお祭り

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山手線をノンストップで1周する「夢さん橋号」。なんと車内でプロレスも行われた(筆者撮影)

「遊び気分で参加するなら、今すぐ帰ってください!」

10月9日、午前11時。大崎の秋の風物詩となったイベント「しながわ夢さん橋」でにぎわう大崎駅近くの一角で厳しい声が響いた。声の主は、実行委員長の綱嶋信一さん。その周囲では、「しながわ夢さん橋」のハイライトとなるJR山手線貸切列車「夢さん橋号」の運営をサポートする100人前後のボランティアスタッフたちが、これまた真剣な表情で綱嶋さんの言葉に耳を傾ける。

「昔はね、偉そうな態度を取っている大学のセンセイとか、ヘラヘラしてる学生とか、胸ぐらをつかんで帰らせたこともありますよ(笑)」。綱嶋さんはこう言って笑う。

今年で30回目の「夢さん橋号」

夢さん橋号の「大崎発大崎行き」切符(筆者撮影)

今年で30回目となる「しながわ夢さん橋」と山手線「夢さん橋号」の運行。現在、JR以外が主催する形で山手線内を貸し切りで運行する列車はこの「夢さん橋号」があるだけだ。超高頻度運転を行う山手線のダイヤのすき間を走る貸し切り列車だけあって、「もしも参加者に事故でもあったら、もう二度とできない」(綱嶋さん)という緊張感が、冒頭の綱嶋さんの厳しい言葉のゆえんだ。

「でもね、夢さん橋号に乗るスタッフは事前に募集しているわけじゃないんです。当日どれだけ集まるかは、来てみないとわからない。だから今年で30回目になりますけど、数十人しか来なかったこともあるし、200人くらい来たこともあるんです」(綱嶋さん)

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