三木谷社長が「規制改革」を主張し続けるワケ

「このままでは日本の自動車産業も危ない」

三木谷浩史(みきたに ひろし)/1965年神戸市生まれ。1988年一橋大学卒業後、日本興業銀行に入行。1993年ハーバード大学にてMBA取得。興銀退職後、96年クリムゾングループを設立。1997年2月エム・ディー・エム(現・楽天)設立、代表取締役就任。同年5月「楽天市場」を開設。2000年にジャスダック上場。2012年6月に発足した一般社団法人新経済連盟の代表理事を務める(撮影:今 祥雄)

三木谷:はっきりしているのは、「インターネットショッピング」という言葉が示していた従来の定義は完全に崩れていきます。

つまり、日本においては、どこまで頑張ってもインターネットショッピングが全リテールマーケットに占める比率は15%ぐらいだろうなと思ってるんですね。しかし、これは狭義のインターネットショッピング。これまでは、取引部分だけをインターネットショッピングと定義していましたが、これからは小売り全体がインターネット化されていく。その結果、オンラインからオフラインへとつなげていく部分も伸びるし、取引に至るまでのプロモーションも伸びていく。

プロモーションとしては、単純に来店を誘うようなこともあれば、あるいは、特定の商品を売り込むというようなこともある。そのときにいちばん重要になってくるのは、データであると思っています。楽天はデータという点では非常に強いポジションにいるので、ここは今後、大きく伸びていく部分です。

山田:狭義のインターネットショッピングの枠を飛び越えて、小売り全体を押さえていく、と。

三木谷:そのためにカードもやっていますし、電子マネーもやっています。決済については、オンラインもオフラインもまとめようとしている。しかし、最後の取引だけじゃなくて、商品のキュレーションから始まってプロモーション、決済を含む全部のバリューチェーンを取りにいく話だと思っています。

今までは、あまりターゲティングをせずに、テレビ広告をしたり、あるいは新聞広告をしたりということをしてきたわけです。われわれのデータをもってしてターゲティングをすることによって、少なくとも数倍の効果を上げることができるだろうと。

広告効率は、これから圧倒的に引き上げられる

山田:広告も大きく変わっていく、と。

三木谷:もちろん、もちろん。だから電通と楽天が組むことになったわけですよ(2017年7月に楽天データマーケティング株式会社を楽天51%、電通49%で設立)。広告効率は、これから圧倒的に上げることができると思っています。そして日本では、楽天が最もそのことを有効的にできる会社の1つだと思っています。

山田:データを活用した広告ビジネスというのは、今のタイミングでの参入がベストですか。

三木谷:もっと早くやっていてもよかったと思いますけどね。機は熟しています。

山田:5年くらい前に参入してもよかったですね。なぜ参入が遅くなったのでしょうか。

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