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知の巨人「ジャック・アタリ」は何が凄いのか 近未来を的確に見通すためにやっていること

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  • 成毛 眞 元日本マイクロソフト社長、HONZ代表
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ワープロが誕生したとき、こんなものでいい作品が書けるかと多くの作家がそれに背を向けたが、21世紀のいまでは、原稿は手書きでないとダメだなどという人はいない。仮にまだ生息していたとしても、どこの出版社からも相手にされないだろう。

パソコンが普及してきた頃もそうだった。そもそもファイルやディレクトリといったカタカナ用語が日本人向きではないからはやるはずがないと、多くの識者と呼ばれる人が堂々と主張し、いくつかの大手メディアもそれを支持する特集を組んだ。人々はより便利なものを求めるという歴史的な事実を、彼らはまるでわかっていなかったのである。

いつの時代も年寄りは、新しいものが出てくるのを嫌う。人生の残り時間の少ない彼らは、いまさら苦労して変化に対応するより、昨日と同じ日々が明日も明後日も続いてくれたほうがいいと思っている。だが、未来の持ち時間がたっぷりある若者はそうではない。彼らが目指すところはいまよりもっと豊かな未来であって、現状維持ではないのだ。だから、技術の進化は大歓迎なのである。

そして、世の中を動かすのはいつだってそんな若者たちなのだ。

いったん暴走し始めると歯止めが利かなくなるリスク

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もちろん、テクノロジーの発達には危険な側面もある。

無秩序にAI開発を続ければ、AIが自己増殖を始め人間がそれらを制御できなくなって、映画『ターミネーター』のようなことが起こる可能性はまったくゼロではない。行きすぎた遺伝子操作が生命倫理を損ねることも考えられる。

そういうことが起こらないよう、これまでは西欧先進国がきちんと監視の目を光らせてきた。ところが、最近は中国、ロシア、中東、北朝鮮といった国も、最先端技術を手に入れたり、自ら開発したりできるようになってきている。そういう国は西欧諸国とは異なるルールで動いているので、いったん暴走し始めると歯止めが利かなくなるかもしれない。

彼らにどうやって利他の精神や、世界を救うことを第一に考えさせればいいのか、ジャック・アタリにぜひ聞いてみたいところだ。

(構成:山口雅之)

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