日本の「リベラル」は、このまま衰退するのか 立憲民主党は自民に対抗する改革路線を示せ

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終盤の民進党分裂、立憲民主党の結党で、リベラル派は踏みとどまった(撮影:尾形文繁)

自民党の大勝、野党の分断で終わった10月の総選挙を受けて、リベラル路線の衰退が指摘されている。自民党側からは、国会での「改憲勢力」が多くなったことを評価する声が相次ぎ、逆に共産党などの左派勢力からは「自民党の補完勢力」が増えたことへの警戒が強まっている。「憲法改正反対」「社会保障大幅増額」を叫ぶ従来型のリベラル派に対する不信が根強いことは確かだが、果たしてリベラルはこのままましぼんでしまうのか。

麻生太郎副総理・財務相は総選挙の直後、こんな発言をした。

「立憲民主党を左翼として計算すると、共産、社民両党を合わせても全議席の2割を切った。そこに今度の総選挙の意味がある」

「左翼の衰退」を強調したいのだろうが、保守派からは左翼と共にリベラル派も衰退の道を歩んでいるとの指摘が続く。

保守派の論客として知られる佐伯啓思・京都大学名誉教授は、立憲民主党を含むリベラル派について、こう指摘している。「彼らは、戦後のこの「体制」をできるだけそのまま続けようと言っているに等しい」(朝日新聞11月3日付)

佐伯氏は「日本社会を大きく変えていかなければならない、というのが安倍首相の基本方針である」とも述べている。安倍晋三首相が「変革」を打ち出しているのに対して、リベラル派は既成の秩序を守ろうとしているという。

リベラル派は総崩れの一歩手前で踏みとどまった

リベラル派には展望がないのだろうか。

まず、今回の総選挙の結果をながめてみよう。自民党は284議席を獲得して大勝したが、政党名を書く比例区の得票は1856万票で、政権を失った2009年の1881万票を下回っている。立憲民主党は今回、1108万票を獲得、希望の党は968万票だった。自民党が圧倒的な支持を得ているとは言えない。むしろ、立憲民主党を拠点として、リベラル派は総崩れの一歩手前で踏みとどまったともいえる数字だ。

問題は今後の対応だ。そこで、リベラル派に求められるものを考えてみよう。

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