日本株をガッツリ買っている外国人の「正体」

米国に出張してわかった「2つの深刻な真実」

年内の材料としては、議会上院の年内の会期は11月27日(月)~12月15日(金)で、この間に、上院独自の税制改革案が審議される。今のところ、上院ではかなり早期に、11月30日(木)に採決する可能性が高いと報じられている。そこですんなり可決されれば、とりあえずは無風だが、共和党内の財政均衡重視派が、「やはりオバマケアの改廃など、代替財源がなければ減税には反対だ」と、また声を強めているとも聞く。こうした声が強くなると、法人減税の実現性に不透明感が広がり、株価の悪材料となるだろう。

また、財政面では、12月8日(金)に再期限が来る、暫定予算と債務上限引き上げも、気になるところだ。

両方とも、期限が来ても何も手が打たれない、という事態は見込みにくいし、債務上限問題も、期限後当面は財務省が資金のやりくりができると言っている。加えて、11月28日(火)には、ドナルド・トランプ大統領が混乱を避けるため、早々に議会と協議を始めるとの観測がある。それでも、本当に大丈夫なのか、市場が不安視する展開はありうる。

タイミングは不透明だが市場の混乱は想定しておくべき

これに絡んだ重要な政治イベントとしては、12月12日(火)に、アラバマ州で上院補欠選挙が行われる。共和党の候補に対して、過去の不適切な行為についてスキャンダルが湧き起こっており(筆者の滞在中のテレビニュースは、数日間こればかりだった)、もし共和党がここで議席を失うと、上院は共和党51議席、民主党49議席と、さらに僅差となる。

上記を踏まえ、引き続き年内に米国株価が下振れ、それが米ドルも押し下げて、日本株も下落する、というシナリオを継続するわけだが、これも米国の取材先が言った言葉を引用すると「株価が上がっている間は、悪材料は見えないふりをする」という投資家の態度が持続する可能性もある。税制改革案の審議にしても「どうせ上下院案をすり合わせる決着は来年なのだから、今年内は気にしない」という市場の空気になれば、米国株や米ドルの調整が来年にずれこむことも否定はできない。

それでも、だ。来年まで展望しても、タイミングは不透明だが、さまざまな株価下落材料が挙げられる。たとえば、足元のサウジアラビアとイランの対立の先鋭化から、原油価格が跳ね上がり、米長期金利が上振れして、それが株価調整を引き起こす展開。あるいは、先週、米ドル円相場がするりと1ドル=112円台から111円台に居所を変えたように、特に米ドル安・円高材料がなくても、先物市場で積み上がった円売りの巻き戻しだけで、突然円高に振れるケース。こうした懸念要因は、すぐに起こってもおかしくないし、実現するのは来年かもしれないが、いずれ市場波乱が来ると、想定すべきだろう。

さて、今週だが、述べたように、米国発の株価調整のタイミングは不透明で、今すぐでもおかしくはない。ただ、どちらかと言えば、感謝祭からクリスマスにかけての休暇ムードで、売り方も活発には動かないだろうし、市場の眼は米クリスマス商戦の実態などに向かい、目先は薄商いのなか、株価の単なる上下動が何となく続く展開になりそうだ。今週の日経平均株価は、2万2200~2万2900円を予想する。

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