外国人が心底惜しがる「日本の新幹線」事情 技術は世界一、ではサービスは?

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実は海外からやってくる観光客には「Japan Rail Pass」という制度があります。JRグループ6社が共同して提供している乗り放題のパスなのですが、東海道・山陽・九州新幹線の「のぞみ」号と「みずほ」号は利用できません。新幹線のなかで最も速く、先端技術の詰まった「のぞみ」をカバーしていないパスは、外国人観光客からすれば、魅力に欠けるものだということは言うまでもありません。

また、先日、海外から新幹線を予約することがようやくできるようになりましたが、Japan Rail Passは対象外となっています。外国人観光客の相当な割合がJapan Rail Passを使うので、Japan Rail Passを対象外にすると、そのシステムを作る理由がなくなります。

細かいことを言えば、国内鉄道会社の予約システムはいまだに、発券後1回しか予約を変更できません。変更対応はたしかに手間がかかると思いますが、利用者からすれば不便なことこのうえありません。

「新幹線の技術を世界に売り込みたい」と言う割には、世界が常識とする基礎的なサービスができていない。これでは、新幹線という「物」の評価は高くても、多くの外国人は「日本の新幹線は、途上国でもできることができていない」と受け止めます。「新幹線」の価値を著しく毀損していることは言うまでもありません。

日本人向けの発想からの脱却を

なぜこのような「もったいない」ことになってしまうのかというと、これまで長く、新幹線は日本人の乗客向けのサービスだったからです。出張族など日本人が使い、日本人が満足すればいいということで、発想が止まってしまっているのです。

ただ、このような考え方は先見性がないと言わざるをえません。これから新幹線の主要なユーザーだった出張族は激減していきます。長期的な視点をもてば、世界に技術を売り込むためにも、1人でも多くの外国人観光客に新幹線を体験してもらう環境を整備することで、世界に対して評価を上げていくべきなのです。

現在、JR東海の新幹線は事実上、独占禁止法の対象外と言えるほど競争にさらされていない環境にあります。リニアができたあかつきには、「2本目」のルートができるわけですから、サービスの改善を促進するため、分社化を含めた競争を促す政策を考えるべきだと思います。

独占禁止法とはそもそも何のためにあるかといえば、企業が独占することによって、価格が不当に高く、サービスが悪くなってしまうことを防ぐことが目的です。

JR東海の新幹線は、提供しているサービスの質と比べて価格設定が極めて高い印象です。これは「競争がないこと」の反映のように思えてなりません。最高速度やかかる時間などは確かにずば抜けているものがありますが、ユーザー目線にたてば、「何キロ出た、何分速く大阪に着く」ということと同じくらい、移動の間の快適さ、利便性が重要なのは言うまでもありません。

このような基本的な整備を行っていないだけでも問題ですが、さらに国や自治体が必死に地方を盛り上げようとしている観光政策にも協力しない。これを「消費者軽視」と言わずしてなんと言いましょう。

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