サントリーホールディングスは、文系4位、理系5位。とても大胆なエントリーシートで、「白紙に自由に自分を表現するという形式」(理系・旧帝大クラス)に驚いた学生が多い。「苦戦した」という学生もいるが、「ほぼ白紙に近いエントリーシートで、自由に表現することができた」(文系・早慶クラス)、「自由度が高く、書いていて楽しかった」(文系・旧帝大クラス)と、おおむね好意的に受け止められている。
伊藤忠商事は、文系6位、理系16位。エントリーシートの特徴は、動画の提出および質問に対する、回答欄の短さだ。「簡単で短い質問しかなく、人間性が見られていると感じた」(文系・上位私立大)と学生は感じたようだ。実際の質問を紹介しておこう。
「困難に直面したとき、どのように克服しますか。30文字以下」
「あなたの思うリーダーシップとは何ですか。30文字以下」
「ストレスを感じるのはどのような時ですか。30文字以下」
「今までの人生で最大の決断は何ですか。30文字以下」
「あなたの人生の夢を教えてください。30文字以下」
1つの文章で30文字以下となると、うまく書くのは難しい。挑発的だが、それが狙いでもあるのだろう。当然のことながら反発する学生もおり、「変わっていた。何を見ているのかわからず、理不尽に思った」(文系・早慶クラス)という学生もいる。「項目が多すぎ、面倒すぎて書くのをやめた」(理系・旧帝大クラス)という学生もいる。
JALは学歴を聞かず、カゴメは持ち歌を聞く?
反対に「設問が多くそれぞれ30字以下で簡潔に書くことを求められたため。志望動機や強みの一貫性が問われる良い設問であると感じた」(文系・旧帝大クラス)と評価する学生もいる。
この課題に限らないが、難題を高く評価する学生は上位校に多い。
カゴメは文系6位、理系では3位となっている。手書きのエントリーシートで、次のような質問が印象深かったようだ。
「カラオケの持ち歌」
「あなたは、どのような人ですか? 自由に表現してください!(具体的な経験やエピソードも交えて)」
好意的なコメントが多く、「カラオケでよく歌う曲の欄があったのがおもしろいと思った」(文系・中堅私立大)、「自分を試されるようなレベルの高いエントリーシートだった」(文系・早慶クラス)という声がある。その一方で「難しすぎて書けなかった」(文系・上位私立大)という学生もいた。ちなみに、選考に落ちた学生にもフォローをしており、「エントリーシート提出後、落選した就活生に自社製品を送っていた」(文系・中堅私立大)という。
日本航空(JAL)は文系8位、理系8位。特徴はいくつかあり、まず「エントリーシートに学歴を書かないこと」(文系・上位私立大)だ。出身高校名と卒業年月日を聞いたうえで別項目として、「学歴に関して上記以外に特記事項(留学・編入学・博士課程学歴など)があれば記入してください」と、エントリーシートには書いてある。
学歴などの形式ではなく、人物本位で測ろうとする姿勢に共感する学生は多く、「志望動機を書かない点、その人の内面を深く見ようとする設問が印象的でした」(文系・中堅私立大)や、「JALのエントリーシートを書いたことで就活の軸が明確になり、他のエントリーシートにも生かすことができた」(理系・上位国公立大)という声があがっている。
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