「エントリーシートの課題」が印象的な20社 文系1位は三井住友海上、理系1位は旭化成

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花王は文系8位、理系2位。質問数と書かねばならない文字量に、驚いた学生が多いが、評価は高かった。

「最も質問内容が深く、その数も多かった。エントリーシートを通して学生の本質を見抜こうとしている印象を受けた」(理系・旧帝大クラス)、「問題数が多く、学生を知ろうとしていることが伝わった」(文系・早慶クラス)。全問に回答する必要はなく、「説明会の際に、特に書く必要がないと思う項目は空欄でも構わないという話があり、実際に空欄でもエントリーシートが通過した」(理系・旧帝大クラス)という学生もいる。当たり前のことだが、空欄にすれば通過する、というものではない。

ホンダは4000字近くも書かせる”熱さ”

アサヒ飲料は文系10位、理系13位。印象が強い理由は、とまどって書くのに苦労したからだ。「志望動機を聞かれなかった」(理系・上位国公立大)、「自由度が高いエントリーシートだった」(理系・旧帝大クラス)、「質問内容が個性的だった」(理系・その他私立大学)と、いろんな言葉で感想を書いている。「あなたが世界で一番だと思うこと」という質問があるが、まともに答えようとすると難しいのだろう。

本田技研工業(ホンダ)は文系17位、理系8位。印象的な理由は、次の学生の感想に尽きている。

「長い。熱い。長さ3750文字で、設問は『あなたが叶えたい夢はなんですか』『その根底にある思いは何ですか』『Hondaに伝えきれない思いをどうぞ!』などなど。項目は1つあたり500文字近くあり、今までで一番準備するのが大変なエントリーシートだった」(文系・早慶クラス)。

企業のエントリーシートの課題と学生のコメントを照らし合わせて感じるのは、学生が文章を書くことに慣れていないことだ。学生も大変だが、そのエントリーシートを読んで選考するのも、大きな負荷になっているようである。

そもそも人間の資質を正しく見抜くのは難しい。「採るべき学生を落としていないか」という不安は採用につきものだ。

今後、そういう人事の悩みを解決してくれるかもしれないのが、「AI選考」。ソフトバンクが2018年卒採用で人工知能「IBM Watson」を導入、エントリーシートの合否判断のひとつに使い、作業時間を約75%も削減したという。効率化だけでなく、資質判定でも、人間を上回っているかもしれない。人事領域への導入は広がっており、エントリーシートだけでなく、就活のプロセスにも、なんらかの変化が生じる可能性があろう。

佃 光博 HR総研ライター

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つくだ みつひろ / Mitsuhiro Tsukuda

編集プロダクション ビー・イー・シー代表取締役。HR総研(ProFuture)ライター。早稲田大学文学部卒。新聞社、出版社勤務を経て、1981年文化放送ブレーンに入社。技術系採用メディア「ELAN」創刊、編集長。1984年同社退社。 多くの採用ツール、ホームページ製作を手がけ、とくに理系メディアを得意とする。

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