決戦直前!ドイツの議会選挙の結果を占う 景気・経済観測(欧州)
現地紙などの評価では、両者の議論はほぼ互角か、シュタインブリュック氏がやや優勢だったとの結果が多かった。討論会後に行われた支持率調査では、SPDがわずかに追い上げたが、CDU/CSUは引き続き15%程度のリードを保っている。
15日には前哨戦となるバイエルン州の議会選挙が行われ、出口調査の結果によれば、CSU(CDUはバイエルン州では活動していない)が議会の多数派を維持した一方で、連立パートナーの自由民主党(FDP)が議席を獲得できなかった。選挙戦は終盤にかけて混迷の度合いを増している。
支持率調査に沿った投票結果となった場合、CDU/CSUが単独での過半数を獲得することは困難とみられており、多数派政権を樹立するには連立相手を見つける必要がある。
予想される連立には3つのシナリオ
連立候補として最有力視されるのが、政策面でCDU/CSUと立場が近く、現政権でも連立を組むFDPだ(シナリオ1)。
ただ、FDPは有権者の支持つなぎ留めに苦慮しており、前回2009年の選挙で過去最多の14.6%の票を獲得したが、現在、世論調査の支持率は5%前後で低迷している。ドイツの選挙制度では、連邦全域の比例票で5%以上を獲得できなかった政党は議席を獲得できない(阻止条項・5%ルール)。
仮にFDPが議席を獲得できない場合や、議席を獲得してもCDU/CSUと合わせて過半数を確保できない場合、CDU/CSUとSPDの2大政党による大連立の可能性が高まる(シナリオ2)。
政策面での食い違いや、第1次メルケル政権が必ずしもうまく機能しなかった(首相をCDUから出す代わりに、閣僚ポストの半数をSPDからとし、政策合意は難航)ことから、両党内部には大連立に反対する議員も多い。だが、メルケル首相も大連立の可能性を排除しない方針を示唆している。安定政権の樹立に必要となれば、大連立に舵を切ることは十分に考えられる。
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