みすぼらしいオヤジに見られないための装い 老眼も薄毛も悩まずに楽しめばいい
横山:それはいいですねえ。すべての人に必要になってくるものですから。
野宮:そう。年齢を重ねることをあまりネガティブに思わずに、新しいファッションアイテムが増えたと思って、おしゃれに楽しむ。だってこれは、二十歳の人は使えない、大人のためのファッションアイテムですから(笑)。
加齢を受け入れて、それを老化でなくて、成熟すると考えてみる。若さはすばらしいけれど、成熟した美しい女性がたくさん増えて、それを男性も褒めてくれるようになったら、すてきな世の中になると思って。そういうメッセージを込めて、本を書いたし、老眼鏡もプロデュースしたんです。
大人はもっともっと遊んだほうがいい
横山:すばらしい考え方です。男にとっては、僕もそうですけど、ゲーハーを気にされる方が多くて。
野宮:「ゲーハー」(笑)。
横山:イタリアなんかに行くと、はるかに自分より背の高い女性とデートしてるハゲのおっちゃんとかがいて、すごく格好いいなと思うんです。この感覚は、若い頃にはなかったですね。若いときは、ハゲたら自殺するって思っていたくらいなので(笑)。
野宮:フフフ(笑)。
横山:うちは親子3代ゲーハーなので、どうしようって思ってました。リーゼント、あるいは横分けだったので、特に深刻な問題で。でも50代になったらみんなゲーハーになるものなんだなと受け入れて、それに似合うファッションを楽しむようになりました。
野宮:ゲーハーの格好のいい男性と、エレガントな50代以上の女性が増えるといい、ということですね(笑)。
私の場合は40代、肌や髪のハリやツヤなど、加齢によるうれしくない変化になんとか抗おうとして、プチ整形や髪をアイロンでツヤツヤに伸ばしたりしたけれど、逆にその「若作り」が自分を老けて見せると気づきました。50代になって、あんまり気にしなくなりましたし、解放されました。
『おしゃれはほどほどでいい』を書きながら気づいたのは、若いときにやったことは、今でもできるということ。若い頃は、若気の至りで許されることはなんでもやったほうがいいと思うし、年を重ねた今も、やりたいことはやったほうがいい。大人はもっともっと遊んだほうがいいと思います。若いときに私もやっていたへそ出しルックだって、他人の「見たくない」という気持ちを気にしなければできますし(笑)。
横山:たまにすごい人、いますよね(笑)。