LCCの爆安価格が「値札通り」に乗れないワケ 各種手数料を加えたら中堅より高い場合も
マレーシアを本拠とする東南アジア最大級のLCC(格安航空会社)、エアアジアが4年ぶりに日本の国内線に再参入した。
エアアジアは2013年夏のANAホールディングスとの合弁解消に伴い、日本国内から一時撤退していた。その後、楽天やノエビアホールディングス、アルペンなど異色のパートナーを得て、2014年夏に新生「エアアジア・ジャパン」が始動。今年10月29日に中部国際空港(愛称「セントレア」、愛知県常滑市)を拠点空港として、まず中部―新千歳線を就航した。これでジェットスター・ジャパン、ピーチ、バニラエア、春秋航空日本に続く和製LCCは5社となった。
値札どおりに乗れないのがLCCの特徴
すでに販売終了しているものの、新生エアアジア・ジャパンで大きく話題となったのは就航記念セールだ。中部―新千歳は通常片道4190円からの設定なのに対し、就航記念として「片道5円」という破格の航空券を売り出した。
これを受けてジェットスター・ジャパンも同時期に「片道6円」の超格安航空券を販売した。和製LCCの多くはこれまでに「片道500~1000円」程度という、大手航空会社では考えられないような格安のセールを出している。
ただ、その値札どおりに乗れないのがLCCの特徴でもある。LCCを利用したことのある人にはピンと来る話かもしれないが、多くのLCCでは最初の運賃検索時に表示されている運賃に空港施設利用料(羽田、成田、中部、北九州の各空港で必要)や支払手数料が上乗せされる。
たとえば、エアアジア・ジャパンが就航したばかりの中部―新千歳線。エアアジア・ジャパンなら710円、ジェットスター・ジャパンでは810円が空港施設利用料と支払手数料の合計として、1区間ごとに運賃とは別に必ず上乗せされる。つまり、エアアジア・ジャパンの5円セールも結局は715円、ジェットスター・ジャパンの6円セールも816円を最低、支払わなければならない。
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