パキスタンの北朝鮮外交官がハマった酒密売 ボルドーワイン1万0542本を輸入
この9カ月の間に、北朝鮮大使館はアラブ首長国連邦を拠点とする輸出業者「トゥルーベル」を通じ、フランスのボルドーワイン1万0542本を輸入していた。4度の注文の総額は7万2867ドルで、それにはハイネケンやカールスバーグといったビール1万7322缶や、シャンパン646本も含まれていた。
トゥルーベルの事業所の電話に答えた人物はロイターに対し、同社は現在では北朝鮮と取引していないと述べたが、それ以上説明しなかった。
アルコール枠
酒は、パキスタンでは慎重を要する問題だ。
イスラム教徒は、法律でアルコールの消費が禁止されている。だが欧米化されたエリート層の中には酒をたしなむ人が多くいる。
キリスト教徒やヒンズー教徒、シーク教徒など人口の約3%を占めるイスラム教徒以外の国民は飲酒を許されているが、輸入物の高品質な酒を合法的に入手するのはほぼ不可能だ。
これが、闇市場の温床となっている。酒は、国境や港で密輸されている。また、貧困国の外交官数人はロイターに対し、密輸業者から四半期ごとの「アルコール持ち込み枠」を数千ドルで買うと持ちかけられたと語った。
「これまで5回持ちかけられた。たいてい外交レセプションの場でだ」と、ある非西洋圏の外交官は語った。
パキスタンの規定では、北朝鮮大使館の一等書記官であるHyon氏は、3カ月ごとに決められた量のアルコールを輸入することができる。この枠を使えば、一例ではスピリッツ類120リットル、ワイン18リットル、ビール240リットルとなる。盗まれたと申告された量のほんの一部にしかならない量だ。
(Drazen Jorgic 翻訳:山口香子、編集:伊藤典子)
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