トヨタ、今期営業益1500億円上積みのワケ 円安寄与で一転増益へ

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 11月7日、トヨタ自動車は、2018年3月期通期の連結業績(米国会計基準)の利益予想を上方修正した。営業利益は前期比0.3%増となる見通し。写真はデトロイトで1月撮影(2017年 ロイター/Mark Blinch)

[東京 7日 ロイター] - トヨタ自動車<7203.T>は7日、2018年3月期通期の連結業績(米国会計基準)の利益予想を上方修正した。営業利益は前期比0.3%増となる見通し。

従来は同7.2%減を想定していたが、円安効果などが寄与し、一転して増益を見込む。

原価改善なども奏功する見通しで2年連続の減益は免れそうだが、永田理副社長は同日の決算会見で、増益予想に転じた通期営業利益は「為替変動の影響が多くあり、実力としては前期に対して1850億円の減益。まだまだだ」と述べた。

修正後の通期営業利益は2兆円(従来は1兆8500億円)。トムソン・ロイターが集計したアナリスト24人の予測平均値2兆0400億円を下回る。 通期の前提為替レートは1ドル=111円(従来は110円)、1ユーロ=128円(124円)と円安方向に見直した。

4―9月期の営業利益は前年同期比1.8%減の1兆0965億円。「米国事業の収益悪化が大きく響いた」(永田副社長)。同じ期の北米事業は同54%の営業減益だった。

通期の純利益は従来の前期比4.4%減の1兆7500億円から同6.5%増の1兆9500億円に引き上げた。売上高は従来の同3.3%増の28兆5000億円を据え置いた。

米国市場、乗用車への逆風続く

米国では、セダンに代表される乗用車からスポーツ多目的車(SUV)などへの需要シフトが続いているほか、永田副社長は「リース期間満了の乗用車が市場に戻ってきており、これが中古車価格の下落傾向につながっている。こうした状況が向こう2―3年は続くと思われ、まだまだチャレンジの状況が続く」と語った。

インセンティブ(販売奨励金)競争も激しく、特にセダン系は「苦戦する状況は続く」とみるが、同社の主力車「カムリ」は「計画通りの販売を達成している」として収益改善に寄与するとの見方を示した。売れ筋のSUV「ハイランダー」やピックアップトラック「タコマ」なども生産能力を計画的に増強する予定で下期・来期に向けて「収益力を強くしたい」と述べた。

トヨタグループの世界小売り販売計画は従来通り1025万台を据え置く。地域別では、北米は279万台(従来は278万台)、アジアは155万台(同156万台)、国内は226万台(同225万台)、欧州は97万台(同94万台)にそれぞれ見直した。

(白木真紀)

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