籠城する「首都の女帝」に夢と希望はあるのか

小池氏、当面は都政に邁進でも、「次」に執念

昨夏の都知事選を「百合子グリーン」の"戦闘服"で圧勝した小池氏は、都議選に続き、衆院選でも鉢巻やたすきにレインコートまでグリーンで統一して選挙を戦い抜いた。まさに「緑のたぬき」の面目躍如だ。ただ、選挙戦最終日の10月21日夜に離日し、パリで迎えた開票日(同22日)夜のテレビなどでの党首リレーインタビューからは、黒を基調とした装いで対応した。

特に、開票翌日(同23日)にパリ市内で行われたキャロライン・ケネディ前駐日米大使との対談では、燃えるようなオレンジのラインで縁取りされた黒のスーツ姿で「衆院選では鉄の天井があった」と笑顔で敗北宣言した。しかも、帰国直後から連日となった希望の党両院議員総会などにも、同じ上着で出席し続けた。「着回しの天才」を自認し、イベントなどに合わせて1日に2、3回着替えることも少なくない小池氏が、テレビカメラを前にほぼ同じ服装で通したことは極めて異例だ。

小池氏をよく知る政界の友人は「黒は喪に服すという意味だろうが、オレンジの縁取りに『まだまだ、心は燃えている』という気持ちを込めたのでは」と読み解く。確かに、選挙後に専念する都政の場では、都知事当選後に「小池都政のシンボルカラー」としたブルーオーシャンを表現する鮮やかな青色を取り込んだ装いで、襟元には同色系の東京五輪カラーの市松模様のスカーフ(風呂敷)を巻いている。

五輪後の20年秋が「次の勝負」に

小池氏側近なのに落選して政界引退を表明した若狭勝前衆院議員は、選挙公示前に小池氏出馬をめぐる「出る出ない」論争を冷却する狙いで「(小池氏の目指す政権交代は)次の次の選挙」と口を滑らせ、小池氏に叱られたと語った。しかし、今回の小池氏の政治的行動を見る限り、若狭氏の想像は「間違ってはいない」(小池氏周辺)と見る向きが多い。

小池氏が当面、東京五輪成功に向け、小池都政の実績を積み上げることを目指して都政にまい進するのは「『次への希望』に向けた土台作り」(周辺)とみられるからだ。中長期の政治日程をみれば次の都知事選は東京五輪直前の20年7月となる予定。さらに、今回の衆院選結果から、次の解散・衆院選は五輪終了後の20年秋が「本命」とみられている。首相が来年9月の自民党総裁選で「3選」し、小池氏が次期都知事選で再選されれば、両氏は国と東京のそれぞれのリーダーとして五輪成功に取り組むパートナーとなるわけだ。

もちろん、自民党内には「小池氏の再選は絶対阻止する」と息巻く向きも多いが、五輪直前の都知事交代は「政治的には無理筋」(都議会公明党)でもある。首相や小池氏だけでなく「4大権力」とされる政・財・官・マスコミ各界がこぞって五輪成功を目指すことになるだけに、とても「政界の権力闘争」をしている場合ではない。首相ら政府与党首脳と小池氏が、互いに直接攻撃を控えるのは、「いやでも協力せざるを得ない」(政府筋)との実態が分かっているからだろう。

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