籠城する「首都の女帝」に夢と希望はあるのか

小池氏、当面は都政に邁進でも、「次」に執念

しかも、「小池チルドレン」と揶揄され、対外発信まで禁じられた都民ファースト都議達には不満がくすぶり、先輩都議でリーダー格だった音喜多駿、上田令子両都議は衆院選直前に「党運営が独裁的」と小池氏に三下り半を叩きつける形で離党した。そもそも同党新人都議の多くがにわか仕立ての素人政治家とみられており、だからこそ小池氏側近がマスコミ露出禁止令を出したのだが、今後はその「素人集団」が都政運営での足場となるだけに、小池氏の不安は拭えない。過半数近くからわずか23議席に転落した都議会自民党は"小池憎し"で結束し、国政で連立を組む公明とも意を通じながら"知事いじめ"を画策する。

首相の解散表明直前に小池氏が希望の党結党と代表就任を宣言した時から、都民らの批判の的となったのが都政と国政の「二足の草鞋(わらじ)」だった。これに対し小池氏は、選挙戦で「連携」した日本維新の会の松井一郎代表(大阪府知事)や同党創業者の橋下徹前大阪市長の存在を挙げ、「文句があるなら彼らにも言ってよ」と不満をあらわにしていた。

希望の党との共倒れによる議席減で松井代表を「責任追及」した同党若手議員を、ツイッターで「ボケ!」などと罵倒した橋下氏は「今でも維新の独裁者」(自民幹部)と位置づけられているが、小池氏は選挙後に国政関与をあっさりやめた。側近は「リーダーとしての潔さ」と解説するが、永田町では「形勢悪しとみれば素早く逃げる。いつもの小池流だ」(自民幹部)との見方が支配的だ。

「結党の理念」崩壊なら代表辞任も

"小池離れ"した希望の党は、党規約などを改訂して共同代表選挙を8日告示・10日投票の選挙日程で実施し、国政上の「党首」を決める。小池氏は「国会議員が活発な議論を展開するのを見守りたい」と静観の立場を強調し、立候補に意欲を見せる玉木雄一郎元民進党幹事長代行らとの表立った接触も控えている。ただ、共同代表選では小池氏の「排除」発言の前提となった「憲法改正」や「安保法制」の支持に加え、野党連携も争点となる。

代表選の結果、希望の党の「改憲・安保法制支持」への不満が露呈し、希望の公認からの「排除」でリベラル勢力代表として躍進した立憲民主党との再結集を模索するような状況となれば、「小池氏が黙ってはいない」(周辺)との見方は根強い。「政権を担えるもう一つの保守党」という結党の理念が崩れれば、「小池氏が党代表を続ける意味がなくなり、辞任にもつながりかねない」(同)からだ。

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