小田急新ダイヤは不動産相場をどう変えるか 実は世田谷区内の利便性がアップ

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それぞれの改正項目について、順に見ていこう。

まず朝ラッシュ時の輸送力アップだが、代々木上原駅着6時~9時半の3時間半についての比較が発表されている。本数で84本から105本(平均で2分間隔)と大幅に増便され、平均混雑率の予測値が192%から150%程度へと緩和される。

中でも、小田原発・藤沢発の快速急行が28本と大幅に増えるのが特徴的だ。これにより、海老名から新宿は朝方で最速43分、ラッシュピーク時でも51分に、同じく大和から新宿も朝方最速45分・ピーク時で52分にそれぞれ10分短縮となる。

快速急行は、小田原や藤沢から新宿への速達性を確保することで、JR東日本の「湘南新宿ライン」に対抗する列車だが、今回の改正では、海老名、大和からの速達性がアピールされており、2019年度から2022年度にかけて完成する「相鉄・JR直通」および「相鉄・東急直通」とのライバル関係で最初から優位に立とうという戦略が感じられる。

京王線にも戦いを挑む

京王は新型車両5000系による座席指定列車で迎え撃つ(撮影:尾形文繁)

一方で、多摩急行廃止というドラスティックな変化が生じる多摩線については、朝ラッシュのピーク時に、1時間当たり6本の新宿行き急行が、唐木田もしくは多摩センター始発で設定され、多摩センターから新宿までの所要時間は朝方で最速36分、ピーク時で40分と最大で14分短縮される。

多摩線に関しては、夕方のラッシュ時間帯の対応も興味深い。18時台から23時台まで30分ヘッドで唐木田行きの快速急行が設定され、新宿から多摩センターを最速33分で結ぶのである。これは、小田急として、長く後塵を拝してきた京王相模原線とのシェア争いに敢然と打って出るということだろう。

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