コンパス刷新に透ける好調ジープの拡販戦略

初の販売1万台超え狙い、ファン育成にも注力

東京の「ジープ世田谷」は日本で最も販売台数の多いジープ販売店だ。店の前面には人気のある「ラングラー」が並べられている(編集部撮影)

そもそもなぜここまで日本でジープ人気が高まったのか。渡邊由紀・プロダクトマネージャーは、ラングラーやレネゲードなどの無骨でユニークなデザインによりブランドの認知度を引き上げたことを、まず成功の要因に挙げる。加えて、販売網を拡大し、ショールームの刷新で新しいブランドイメージを打ち出したことが奏功したのではないかと分析する。

ジープのある生活を積極提案

「ラングラー」の小型版ともいえる「レネゲード」。売れ行きは好調だ(編集部撮影)

しかし、それだけではない。ジープは近年、車に付随するライフスタイルを想像できるようなマーケティング戦略に注力している。第二次世界大戦中の1941年に米国で軍用車として誕生した歴史があり、オフロードを走破する走行性能や特徴的なデザインをブランドの強みとしてきた。日本では、アウトドアとの高い親和性を武器に、ライフスタイルの中で車のよさを引き出すような提案を積極的に行っている。

ジープのディーラーを6店展開するファイブスター東都は、2007年から毎年、購入者や購入検討者を対象に「ネイチャーミーティング」を開催してきた。北軽井沢のキャンプ場に、今年は69台ものジープが集結。キャンプが初めてでもテントや食事は運営サイドが用意してくれるので、参加のハードルは低い。「ジープでしか楽しめないような体験を提供したい。イベントは口コミのきっかけにもなる」と、マーケティング担当者は述べる。

すると、ユーザーはアウトドアやキャンプの楽しさに気づき、自らもキャンプの道具を買いそろえるようになる。あるユーザーカップルは「ディーラーのオーナーイベントでキャンプのとりこになり、月に3回くらい行っている。キャンプ場では雨で地面がドロドロになることもあるが、この車なら心配ない」と語る。

ジープが9月に富士山麓のキャンプ場で開いた「ジープ・フェスティバル」。家族連れが愛車のジープの横でキャンプを楽しんだ(記者撮影)

そんなユーザーに向け、インポーター側も2016年からイベントを始めた。2回目を迎えた今年9月の「ジープ・フェスティバル」では、富士山麓のキャンプ場に、ジープオーナー395人を含む1100人が集まった。会場にはさまざまな種類のジープが並んだ。カップルから子ども連れまでが、料理や企画などに参加して、思い思いにアウトドアを楽しんだ。

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