コンパス刷新に透ける好調ジープの拡販戦略 初の販売1万台超え狙い、ファン育成にも注力
ジープユーザーは、愛車のどこに魅力を感じているのか。黒のラングラーで訪れていた家族連れの男性は「車は自分を表すもの。より主張の強いジープに乗りたかった」と明かす。キャンプ場でも、いちばん前に置かれた鮮やかなオレンジ色のラングラーが目を引き、「あれ、かっこいいよね」という話が出た。40代の男性オーナーは、「10年以上ずっとジープを乗り継いでいる。子どもたちをいろんな場所に連れていくには最高の車。いろんな体験をさせてあげたい」と語る。
このイベントには、ジープオーナーではない人も参加できる。ずらりと並んだジープを見て、「かっこいい、自分もジープが欲しい」と購買欲を刺激する戦略だ。「こうしたイベントに感化されて買う方も多い」(FCAジャパンの営業本部長・牛久保均取締役)という。
宣伝活動で重視されているのは、何といっても「リアリティ」だ。ジープのウェブ連載「REAL STYLE」には実際のオーナーである著名人だけを起用する。FCAジャパンでジープのブランド広報を担当する新海宏樹マネージャーは、「商品と関連がないタレントを使うより、本物のオーナーの姿を紹介するほうが、ジープのある生活がより想像しやすくなる」と、魅力の打ち出し方を語る。
ファッションブランドとのコラボも
ジープは5月にファッションブランド・ジャーナルスタンダードと手を組んだ。FCAジャパンでマーケティング本部長を務めるティツィアナ・アランプレセ氏は、「私たちはアメリカンブランドであることやアウトドアとの親和性など共通項が多い。同じスピリットを持っている」と話す。今春、ジャーナルスタンダードがジープから着想を得たアイテムはすぐに売り切れるほどの人気だった。
11月末のロサンゼルスモーターショーでは、10年ぶりにモデルチェンジする新型ラングラーが発表される。人気モデルだけにファンの期待は大きく、日本での販売が決まれば、さらなる拡販への追い風となるのは間違いない。そのときは、ラングラーのあるライフスタイルを消費者にどれだけイメージさせられるかがカギになる。ジープの腕が試される。
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