年収5000万円もザラ、米AI人材のヤバい報酬 シリコンバレーでもAIがわかる人材は希少
テクノロジー人材のスカウト会社、サイバー・コーダーズのジェシカ・カタニオは、「特に小さい企業の場合は、これに匹敵する額を提示するのは難しい」と話す。
大学での教育に影響も
あまりにAIの専門家が少ないので、大手テクノロジー企業は学術界からも、優秀で頭脳明晰な人材を採用している。しかし、それによってAIについて教えられる教授の数が減ってしまうということにもなる。
2015年にウーバーは、同社の自動運転車プロジェクトのために、カーネギーメロン大学の画期的なAIプログラムから40人を採用した。過去数年間で、学術界で非常に著名なAI研究者4人が、スタンフォード大学の教授職を離職、または休職した。ワシントン大学では、AIを専門とする教授20人のうち6人が、外部の企業で働くために休職、または部分的に休職している。
「学者がどんどん企業に吸い取られていく」。こう話すのはオレン・エツィオーニだ。彼はワシントン大学の教授職を休職し、非営利のアレン・インスティチュートでAI事業を監督している。
教授たちの中には、両立の方法を見つける人もいる。ワシントン大学のルーク・ツェタルマイヤーは、グーグルが運営するシアトルの研究所への誘いを断った。彼によると、そのポジションに就いていたら、現在の報酬(公開データによると18万ドル)の3倍以上の収入が得られただろうという。その代わりに、彼は大学での指導も続けられるアレン・インスティチュートのポジションを選んだ。
「こうすることを選ぶ教授も大勢いて、企業での時間と学術界での時間をさまざまな割合で分けている」とツェタルマイヤーは言う。「企業の給与のほうがずっと高いが、学者でいることを心から大切にしているから、そうするのだ」。
(執筆:Cade Metz、翻訳:東方雅美)
© 2017 New York Times News Service
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