永遠に未完?「横浜駅」工事はいつ終わるのか 「日本のサグラダ・ファミリア」と人は呼ぶ
その後は2006年に京浜急行電鉄がホーム構造の変更工事を、2010年にはJR東日本が横須賀線、湘南新宿ラインのホーム拡張工事を実施した。こうした鉄道事業者の主導する工事が一段落したかと思ったら、今度は2010年から市の主導による「エキサイトよこはま22」と呼ばれる横浜駅大改造計画がスタートした。東西の駅前広場を整備し、線路上空にデッキを設置して南北を結ぶといった大掛かりなものだ。
現在は横浜駅大改造計画の一環として、西口駅前ビルの建て替え工事が進んでいる。2020年に地上26階建ての超高層ビルに生まれ変わる予定だ。
並行して、横浜駅地下にある中央自由通路と西口地下街「相鉄ジョイナス」の間にある段差の撤去工事も始まっている。「馬の背」と呼ばれ、自由通路から地下街に向かう際、階段かエスカレーターで地上に上がり、ほんの数メートル歩いて、再び下る必要がある。2019年に工事が完了すると、中央自由通路と西口地下街とをスムーズに行き来できるようになる。
サグラダ・ファミリアのほうが先に完成?
横浜駅利用者の中には、「馬の背」には何か撤去できない構造物があると思っていた人も多いだろう。しかし、実際にはガス管や水道管が埋まっているだけだった。つまり、管を再配置すれば撤去しても大きな支障はない。だとしたら、なぜもっと早く撤去しなかったのだろうか。
地下街と自由通路が造られたのはそれぞれ、1964年と1980年。自由通路建設に合わせて馬の背を撤去してもよかったはずだ。自由通路側の工事を行うJR東日本、地下街側の工事を行う相鉄ホールディングスに聞いたところ、両社とも「古い話なのでわからない」とのことだった。
そこで、工事を所管する市の担当者に聞いてみると、「当時は自由通路を造るだけでも大掛かりな工事だったので、地下街とつなげることまでは考えていなかったのではないか」という答えが返ってきた。当時は地上に東横線も走っており、仮に撤去工事をするにしても、鉄道運行に支障がないように工事をするのは容易ではなかっただろう。ただ、その結果40年に近くにわたって利用者は無駄な上り下りを強いられることになった。
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