鉄道工事の鉄建、21年ぶり最高純益の舞台裏 長崎新幹線の現場を支えるゼネコンの正体
今回、記者が取材に訪れた諫早駅付近に建設中の栄田高架橋は、総延長の6割以上がトンネルを走る長崎新幹線において、在来線と並走する数少ない区間だ。
列車が工事現場スレスレを並走しており、見張り役が通過列車に対して毎回合図をしないと、運転手が危険と判断して列車を止めてしまう。さらに在来線に影響が出ないよう、橋脚部分の工事は終電から始発までの時間に限られる。
株価は足踏み状態
終点である長崎駅周辺の線路高架化工事では、用地が狭いため一度仮線路を敷設して車両を移し、空いた土地に高架橋を建設する。こちらも運行中の在来線と隣り合わせの工事だ。
長崎駅は留置所の役割も兼ねるため、それを支える高架橋のサイズも巨大だ。駅付近では新幹線、在来線、そして留置線がそろい踏みし、それを最大で幅38メートル、線路8本分もの橋桁が出現する。巨大な橋の超重量に耐えるべく、橋脚内部の鉄筋がさながら知恵の輪のように絡み合う姿は、熟練した職人をもうならせる。
こうした強みを持つ鉄建だが、株価は2014年に5000円台を付けてから、2017年は3000円台と足踏み状態。10月18日の終値でも3520円にとどまる(2017年9月末に10株を1株に併合)。営業利益率も今期の見通しで3.6%程度、上場する建設会社の平均営業利益率6.7%(『会社四季報2017年第4集』)を下回っており、株価も業績もまだ伸び代を抱えている。
これから本格化するリニア新幹線の工事も控える中、今後も業績を伸ばし続けることができるか。日本の大動脈の建設という重責を担う同社に引き続き注目だ。
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