鉄道工事の鉄建、21年ぶり最高純益の舞台裏

長崎新幹線の現場を支えるゼネコンの正体

豊富な受注機会に恵まれ、業績も急回復している。前2017年3月期の決算では営業利益61億円(前期比3.4倍)と急伸。純利益に至っては39億円(同3.1倍)で21年ぶりに過去最高を更新した。

今2018年3月期は通期営業利益を横ばいの61億円と見込むが、第1四半期決算は営業利益14.6億円(前期比2.6倍)と出足は好調。11月10日に予定する第2四半期決算次第では通期業績見通しの見直しもありそうだ。

業績は昨年度から急回復

快走ぶりが目覚ましい同社だが、業績は数年前までは低空飛行が続いていた。2008年のリーマンショックや2009年からの民主党政権による公共事業抑制政策、さらに主要顧客の鉄道会社を筆頭に民間企業も投資を控えたことで受注競争が激化し、利益が圧迫されていった。大型工事で不採算案件があり、2013年3月期は7年ぶりの営業赤字に沈んだ。

以来、営業利益率は3年連続で1%台に沈んでいた同社だったが、ここへ来て不採算工事が一巡するとともに、工事の原価管理を徹底。量より質の受注姿勢へと本格的に舵を切った。

これまで手が付けられずにいた現場の業務効率化も進め、事務作業の外注やITの導入など施工効率化を進め、高騰する人件費を吸収。ようやく本格的な営業増益へとこぎ着けた。

今後も大型工事を控えることも、業績に追い風となっている。同社が得意とする鉄道工事は、ほかの土木・建築工事と異なり参入障壁が高い。

各鉄道会社によって、求められる要件や資格が異なるうえ、鉄道の運行に支障をきたさず工事をする必要がある。鉄道向けの建設を手掛けるのは、スーパーゼネコンを除けば東鉄工業といったJR系列のゼネコンなど一握りだ。

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