他の3つのサンプル(=弊社のほかの社員)についても同様の分析を行った結果、1日当たり平均で約14分の労働時間の減少に対し、「買い物、趣味」などは増加せず、「睡眠」などが増えた。
労働時間を減少させるために仕事中の集中力を高めた(頑張って働いた)結果、労働時間が減少したにもかかわらず、むしろ疲労が増して睡眠が必要になった可能性などが考えられる。「家事」の増加寄与も大きかった。普段の平日に家事に費やす時間が十分でないことなどが理由だろう。
「時間」が消費の伸び悩みの原因ではない
いずれにせよ、働き方改革による早帰りに成功したとしても個人消費がすぐに増加するとは限らないという結果が得られた。むろん、人口減少社会において、消費者の数の減少を1人当たりの消費拡大で補う必要があることは事実である。しかし、時間が有限である以上、これは容易なことではないかもしれない。
上記の結論とは矛盾するようだが、最近ではオンラインショッピングの普及によって時間がなくても個人消費を増やすチャンスは増えている。それでも1人当たりの消費が伸び悩んでいるということは、モノに対する欲求が低下しているなど、時間では解決できない課題が背景にある可能性があるだろう。この課題は働き方改革よりもずっと解決が難しい。
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